【言語一般】文字と表記『漢字』『平仮名』『片仮名』『ローマ字』

Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  📚

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!

 

 

昨日ふと何気なく、日本語教育能力検定試験の試験会場を確認していたんですが、、、てっきり去年と同じ会場なのかと思っていたら違うんですね(^^;

あやうく去年と同じホテルを予約してしまうところでした。。あぶないあぶない。

今回も去年と同様で福岡で受験予定なんですが、飛行機で行ってそのあとも移動・・・初めての土地で地理感がないとちょっと心配です。

 

今日は先日勉強した、漢語や和語の実際の文字と表記についての勉強です。

 

語種についてはこちら。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

 

 

日本語の文字

日本語には、「漢字」「平仮名」「片仮名」「ローマ字」の4種類もの文字が使われていて、これは他の言語に見られない大きな特徴です。

そしてこの仮名文字と漢字の組み合わせを「漢字仮名交じり文」と呼び、これが日本語の基本となります。この漢字仮名交じり文が文を読みやすくしてくれているとも言えます。

また仮名部分は助詞や助動詞などの文法を担っていて、日本文の表記上重要な特徴でもあります。

文字の種類ごとに特徴をみていきましょう。

 

 

漢字

漢字は、紀元前1,300年ころに遺跡から見つかった「甲骨文字」がはじまりと言われています。その後、字形の変遷を経て今のような「楷書」が生まれました。

漢字には「形・音・義」があり、文字組立ての原理があります。

「形」とは字体のことです。

「音」とは日本語化した中国の発音(字音)があります。

「義」とは語の意味で、これを日本語読みにしたものが字訓になります。

そして漢字には「六書」と呼ばれる分類があり、「象形」「指示」「会意」「形成」「転注」「仮借」の6種類からなります。

 

漢字の分類

物の形に象って(かたどって)表したものです。

例:日・月・木・山・虫・鳥・手 等

象形では表現できない抽象的な概念を、ある符号を用いたり、象形文字に変化を加えたりして表したものです。

例:一・三・上・中・下 等

会意

二つ以上の意味を表す要素を組み合わせて表したものです。

例:明(日と月からなる)・位(人と立からなる)・林(木と木からなる)、、轟・計 等

形声

二つの文字を意味を表す要素と音を表す要素を組み合わせて表したもの。漢字にはこれに属する文字が最も多いです

例:柏(白の音と木の意味)・江(工の音と水の意味)・景(京の音と日の意味)・園・週 等

転注

本来の意味から派生した意味で作ったものです。

例:「楽(がく)」(本来は音楽の意味だが、人に楽しみを与えることから、「楽しい」に転じたもの)

仮借

意味に関係なく、音が同音もしくは類似している文字を転用したものです。

例:「革(かく)」(革(かわ)であるけれど、音を借りて「革命(かくめい)」と用いるもの)

 

漢字の「音」「訓」

日本語は、音読み訓読みという2種類の読み方があるのも特徴です。それぞれに何種類かの読み方がある場合も多いです。漢字圏の国でも、音読みのみで1つの読み方しかないことが多い・・・そのため日本語学習者にとっては覚えるのに苦労する要因のひとつでもあります。

日本語の音読み(字音)には「呉音」「漢音」「唐音」の3種類があります。日本のどの時代に中国のどの地方から伝わったかに由来しています。

 

詳しくはこちらで。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

訓読みについては、「異字同訓」「熟字訓」などの関連項目が存在します。

 

異字同訓とは

異字同訓とは、同訓異字とも言われていて、異なる漢字であっても同じ訓を有するものの組み合わせのことを言います。

例:「上がる・挙がる・揚がる」・「合う・会う・逢う・遭う」(動詞)

 :「暑い・厚い・熱い」・「早い・速い」(形容詞)

 

 

熟字訓とは

熟字訓とは、漢字からなる単語に、単字単位ではなく熟語全体に1つの訓読みを当てたものです。そのため、単字に分解してもそれぞれに訓読みの要素を表すことは不可能なものが多いです。

例:「紅葉(こうよう)」👉「紅葉(もみじ)」

 :「今日(こんにち)」👉「今日(きょう)」

上記の「紅葉」のように、熟字訓と音読みでは意味が異なる場合もあります。

また、よく使われる言葉が熟字訓になっている場合が多く、訓には和語ばかりではなく外来語も使われることもあります。

例:煙草(たばこ)

 

※「玄人(くろうと)」「素人(しろうと)」等はそれぞれ「玄」「素」「人」に分解可能で、あくまで音便化現象の一種と考えられています。

 

 

音便化についてはこちら。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

漢字表(漢字制限・使用範囲の目安)

漢字に関して、初めて制限が実現したのが1946年の当用漢字表(内閣告示・訓令、1,850字)によってでした。

1981年には、常用漢字表(内閣告示・訓令、1,945字)が告示されました。

当用漢字表が、この範囲内で漢字を使い、それから外れるものは仮名で書くようにするなどという制限色の強いものであったのに対し、常用漢字表は、漢字使用の際の目安という位置づけに変わっているのが特徴です。

2010年にはさらに常用漢字表が改定されて、掲載字種は従来の1,945字から2,136字に変更されました。

追加された漢字の選定基準は、「頻出頻度が高く、造語力(熟語の構成能力)も高いもの」「出現頻度が高い代名詞(例:俺、誰)」「出現頻度がそれほど高くなくても漢字で表記した方が分かりやすいもの(例:謙遜の遜)」「書籍や新聞の出現頻度が低くても社会生活上よく使われ必要と認められるもの(例:訃報の訃)」「都道府県名で使われているもの」というものです。

より実生活に見合った漢字が追加されたというわけですね。

 

 

平仮名

平仮名は、万葉仮名の草書体を簡略にしたところから生じた文字です。すなわち万葉仮名の草書体を書き崩して用いた文字が更に崩れて平仮名になったというわけです。

したがって、成立時期も一時にできたものではなく相当の年月にわたって次第にできたものだと考えられています。

平仮名は「女手(おんなで)」とも呼ばれていて、漢字漢文を男性知識階級が多く公文書に用いたのに対して、これは和歌などから次第に日記や物語を書くところまで使用範囲が及び、平安女流文学を生む土台も作っていきました。

平仮名文は元は漢字を交えず平仮名だけで書かれるのが普通であったけれども、明治以後、漢字平仮名交じり文が一般に普及していきました。

 

仮名遣

平仮名で日本語を書き表す際の決まりを「仮名遣い」と言います。

明治時代には契沖仮名遣いと呼ばれる流れを受ける歴史的仮名遣い」を採用していました。これは平安時代初期までの実際の綴りを発掘したものを基にした書き方でした。

第二次世界大戦の後、国語国字改革の流れによって1946年の「現代かなづかい」(内閣告示・訓令)が告示されるまで、公教育の場で正式な仮名遣いとして用いられていました。現在の公教育では古典文学作品における教育でのみ用いられています。

「現代かなづかい」発音された音に近い表記をするのが原則という新しい方式取り入れられました。それをさらに整理したのが1986年の「現代仮名遣い」(内閣告示・訓令)になります。

 

現代仮名遣いの特徴

現代仮名遣いは、おおまかに現代語の音韻に従って書き表し、特定の語については表記の慣習を尊重するものとしています。

一部を紹介します。

 

【じ・ぢ・ず・づ】

・「ぢ・づ」は原則は「じ・ず」を用います。ただし、同音の連呼や、連濁、複合語、語意識の働く語彙に関しては、歴史的仮名遣いの「ぢ・づ」を許容します。

例:ちむ・ちこまる・つる・つく・等 (同音連呼)

 :鼻血(はな)・小遣い(こかい)・間近(まか)・近々(ちかか) 等

(「いちじく」「いちじるしい」はこの例に当たらない)

なお、次のような語は現代語の意識では一般に二語に分解しにくいものとして、それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則としますが、「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くことができるものとします。

例:世界中(せかいゅう)・稲妻(いなま)・固唾(かた)・融通(ゆうう)・きな 等

 

また、「地面(めん)」「図画(が)」の「地」「図」はもともと音読みで濁って発音するものであり、「じ」「ず」を用いて書きます。

 

【は・を・へ】

いわゆるハ行転呼音「はひふへほ」を用いる語は、発音によりア行または「わ」の音で表します。

ただし、助詞の「は」「を」「へ」の語に限り歴史的仮名遣いと同一として音では綴らないです。

(現代かなづかいではこの準則を「わ・お・え」と書いても構わないと解釈したけれども現代仮名遣いでは「は・を・へ」に統一されました)

 

【長音表記】

「あ・い・う」列長音は該当列の母音を添えます。

例:かさん・おじさん・つしん(通信) 等

「お」列長音は「う」を添えます。

例:こうん(幸運)・そおん(騒音)・こしん(行進)・おじ(王子) 等

ただし、歴史的仮名遣いの「ほ」や「を」が「お列長音」に続いていたものは、「お」を添えます

例:「氷」こり(こほり)・「大きい」おきい(おほきい)・「遠い」とい(とほい)・「十」と(とを) 等

「え」列に関しては長音として発音されるか、えい、れい、けい、などのように発音されるかに関わらず「え」列の仮名に「い」を添えてます。

例:かれ・れ(例)・えが(映画)・て(丁寧)・とけ(時計) 等

 

【拗音・促音の表記】

拗音を表す「や・ゆ・よ」と、促音を表す「っ」はなるべく小さく書きます。縦書きの場合は右側、横書きの場合は下側に書きます。

 

【動詞の「言う」】

「言う」は「いう」と表記します。

例:ものをいう・どういうふうに・いうまでもない 等

 

 

 

送り仮名

送り仮名の付け方は、漢字仮名交じりで書く際の書き方についても決まりがあります。1973年(昭和48年)の「送り仮名の付け方」(内閣告示・訓令)が基準になっています。

また、送り仮名には二つの大きな働きがあります。

 

送り仮名を付けることで活用の変化に応じた表記ができる

例えば、「書く」という語は、「く」の部分を仮名書きにすることにより、「書かない」「書きます」「書いて」というように語形の変化を表すことができます。

 

漢字の読み違いがないようにする

例:嫌いだ(きらいだ)ー嫌だ(いやだ)

 :好きだ(すきだ)ー好む(このむ)

上記のように、文字によって適切な送り仮名を付けることで意思や情報を正確に伝えることができます。

 

送り仮名の付け方にはいくつかルールもあります。

送り仮名の間違いって多いと思います。。。

いくつかのポイントを書きます。

 

活用のある語

活用のある語、動詞や形容詞は活用語尾を送るのが原則です。ただし、例外も沢山あります。。

例:書・実・助ける・生きる 

例外:

①語幹が「し」で終わる形容詞「嬉しい」等は「し」から送ります。

②活用語尾の前に「か」「やか」「らか」を含む形容動詞「静かだ」「穏やかだ」等はその音節から送ります。

③その他、、、「味わう」「教わる」「異なる」「逆らう」・・・

他にも活用語尾の前の音節から送ることが許容されている語もあります。

例:表す(表わす)・行う(行なう)・断る(断わる)

※語幹と活用語尾の区別が付かない動詞は、「着る」「寝る」「来る」などと送ります。

 

また、読み違える恐れのない場合は活用語尾のみでも、その前の音節から送ることも許容されている語もあります。

例:生まれる(生れる)・押さえる(押える)・聞こえる(聞える)・起こる(起る)・落とす(落す)・当たる(当る)・終わる(終る)

 

活用のない語

①名詞は原則、送り仮名は付けません。

例・空・雲・月・鳥・男・彼女 等

ただし、数を数える「つ」を含む名詞は、その「つ」を送ります。
例:一つ・二つ・幾つ 等
 
活用のある語から転じた名詞「動き」「曇り」「願い」「当たり」「答え」「遠く」「近く」等は、もとの語の送り仮名の付け方によって送ります。
例外として、動詞から転じている「恥」「話」「光」「舞」等は送り仮名を付けません。ただし、動詞としての意識が残っているような使い方の場合は送り仮名を付けます。
 
また読み間違えるおそれのない場合は、送り仮名を省くことができます。
例:曇り(雲)・願い(願)・届け(届)・向かい(向い)・答え(答)・祭り(祭)
 
②副詞・連体詞・接続詞は最後の音節を送ります。
例:必ず・更に・少し・再び・全く・最も・及び 等
 
「又」は送り仮名を付けません。
 
③複合語は、読み間違えるおそれのない場合は、送り仮名を省くことが許容されています。
例:申し込む(申込む)・聞き苦しい(聞苦しい)・田植え(田植)・落書き(落書)・飛び火(飛火)・預かり金(預り金) 等
 
また、複合語のうち、次のような名詞は慣用に従って送り仮名を付けません。
例:地位・身分・頭取・取締役 等
 :書留・気付・切手・振替・売値・割引・売上・取引・試合・・・等
 :息吹・時雨・名残・雪崩・吹雪・迷子・行方 等
 
 

 

片仮名・カタカナ

片仮名は、万葉仮名の字画を省略したもので、本来漢文を訓読する際に、「ヲコト点」と供にその読みを示す符号として成立したものです。その呼び方の由来は漢字の一部「片の意」からとも、漢字の傍ら(かたわら)に置く意味とも言われています。

明治から昭和の初等教育では平仮名よりも優先して扱われていました。

(確かに祖母はよく片仮名を使って文字を書いていました)

漢字仮片名交じり文は権威のある文書を意味していましたが、太平洋戦争以後は平仮名の地位が向上して、漢字平仮名交じり文が普通になり、片仮名はその中でも特定の種類の語に使われるようになりました。

主に外来語や、外国の地名・人名、擬音語や植物名を表記に使われる場合が多いです。

 

 

ローマ字

ローマ字は、ラテン語を書き表す文字として古代ローマで完成され、ヨーロッパ各国に広まったものです。

ローマ字による日本語表記は16世紀にキリシタンの宣教師によって持ち込まれました。

1867年にアメリカ人のヘボンが最初の和英辞典で用いたローマ字綴りが、いわゆるヘボン式の元になりました。

明治時代には、このヘボン式のローマ字綴りに内外の学者の手が加えられた標準式(ヘボン式)と、これに異論を唱え、日本語の五十音図に即した「日本式」ができました。

しかしこの二つの綴り方のどちらを採るかで対立論争が起き、昭和12年に臨時ローマ字調査会が設けられ、内閣訓をもっていわゆる訓令式が公布されました。

パスポートなどの公文書はヘボン式が採用されています。

 

ヘボン式

ヘボン式は、「和英語林集成」を作ったヘボンが始め、それを基本として成立した書き方です。

同じ行に属する場合でも、音声学的に子音が違う場合は、違う綴りを採用しているところが特徴で、音声学的であると言えます。

例:サ行・・・sa、shi、su、se、so

 :タ行・・・ta、chitsu、te、to

 :ハ行・・・ha、hi、fu、he、ho

 :ザ行・・・za、ji、zu、ze、zo

 :シャ行・・・sha、shu、sho

 :ジャ行・・・ja、ju、jo

 :チャ行・・・cha、chu、cho

太文字は訓令式と異なるものです。

 

日本式

日本式は、田中館愛橘(たなかだてあいきつ)が主張した、五十音図を前提として子音と母音の組み合わせでつづりを決めたものです。五十音図に沿って作られているので、音韻論的であると言えます。

例:ぢ(di)・づ(du)・・・訓令式と異なるもの

 

訓令式

訓令式は、1937年にローマ字の綴り方の統一を目指して政府が内閣訓令として公布したものです。

例:サ行・・・sa、si、su、se、so

 :タ行・・・ta、titu、te、to

 :ハ行・・・ha、hi、hu、he、ho

 :ザ行・・・za、zi、zu、ze、zo

 :シャ行・・・sya、syu、syo

 :ジャ行・・・zya、zyu、zyo

 :チャ行・・・tya、tyu、tyo

太文字はヘボン式と異なるものです。

 

 

文字の分類

文字の性質によって分類すると、表意文字表音文字に分けられます。

その字自体が意味を持つ文字を表意文字と言います。漢字がこれに当たります。

また、その字が1つの語であるという特徴を重く見て表語文字と呼ぶこともあります。

一方で、字そのものには意味がなく、単に音を表すだけのものを表音文字と言います。仮名やローマ字がこれに当たります。

また仮名もローマ字も表音文字ですが、ローマ字のように子音や母音のレベルで文字になっているものを音素文字、仮名のように基本的には子音と母音の組み合わせで文字になっているものを音節文字と言います。

 

 

 

過去問・「漢字」「平仮名」「片仮名」「ローマ字」について出題されたもの

 

平成27-Ⅰ問題1-(3)

ローマ字の綴りの問題です。仲間外れはどれ?

1番👉「chiri」はヘボン式

2番👉「kaji」はヘボン式

3番👉「shigoto」はヘボン式

4番👉「matsuri」はヘボン式

5番👉「syumi」は訓令式・・・ヘボン式だと「shumi」

したがって正解は、5番

 

平成28-Ⅲ問題4-問4

現代仮名遣いについての問題です。昭和61年の内閣告示について正しいものはどれ?

正解は、4番

 

この仮名遣いは,主として現代文のうち口語体のものに適用する。原文の仮名遣いによる必要のあるもの,固有名詞などでこれによりがたいものは除く。

この仮名遣いは,擬声・擬態的描写や嘆声,特殊な方言音,外来語・外来音などの書き表し方を対象とするものではない。

 

参考:

www.bunka.go.jp

 

平成28-Ⅲ問題4-問5

日本語の発音と表記についての問題です。(不適当なものを問われています)

1番👉助詞を「を」と表記するのはハ行転呼とは関係ありません。

2番👉助詞の「へ」を「え」ではなく「へ」で表記するのはハ行転呼の影響です。

3番👉「狼(おおかみ)」と表記するのは歴史的仮名遣いの表記が「おほかみ」だったためです。

4番👉歴史的仮名遣いで「おとな」「をとこ」と表記するのは、かつての日本語の発音の違いを反映しています。

したがって正解は、1番

 

平成29 -Ⅰ問題1-(4)

漢字の成り立ちについての問題です。仲間外れはどれ?

日・月・川・山は象形文字で、林は会意文字です。

したがって正解は、5番

 

平成29 -Ⅰ問題6-問5

平仮名・片仮名や記号などの表記は縦書きと横書きで異なるものがあります。(不適当なものを問われています)

1番👉かぎ括弧の向きは変わります。

2番👉長音記号の向きは変わります。

3番👉促音、拗音の位置は変わります。

4番👉濁点の位置は変わりません。

よって正解は、4番

 

平成29-Ⅲ問題12-問2

現代仮名遣いで採用されている表記はどれでしょう?

1番👉「工事(こうじ」「氷(こおり)」

2番👉正しくは「行く(いく)」「言う(いう)」

3番👉正しくは「時計(とけい)」「映画(えいが)」

4番👉正しくは「地震(じしん)」「縮む(ちぢむ)」

したがって正解は、1番

 

平成29-Ⅲ問題12-問3

当用漢字表についての問題です。

正解は、3番。日本で漢字に関して、初めて制限が実現しました。

 

参考:

www.bunka.go.jp

 

平成29-Ⅲ問題12-問4

訓令式のローマ字の正しい記述はどれでしょう?

正解は、1番

訓令式では「つき(tuki)」「ふね(hune)」「はし(hasi)」「じゃま(zyama)」と表記します。

 

平成29-Ⅲ問題12-問5

日本語の送り仮名の指導についての問題です。正しい指導はどれ?

1番👉「もうしこみ」は名詞としての場合は「申込」とし「申し込み」のように送り仮名は付けないです。

2番👉「おわる」は「終わる」「終る」どちらも使用可能です。

3番👉「むかう」は「向う」ではなく「向かう」とするのが正しいです。

4番👉「あたり」は「当たり」「当り」どちらも使用可能です。

したがって正解は、3番

動詞の送り仮名は、原則として活用語尾だけなのですが、「向かう」は「向く」から派生した動詞のため、「向かう」のように「か」から送るそうです。

送り仮名のルールは例外も多数あり・・・日本人でも難しいです!!

 

平成30-Ⅰ問題1-(7)

漢字の読みとつくりについての問題です。仲間外れはどれ?

「議(ぎ)」「訪(ほう)」「誤(ご)」「認(にん)」は旁の読み方で読む漢字です。「計(けい)」のみ違います。

よって正解は、5番

 

平成30-Ⅲ問題3-問3

「漢字、平仮名、片仮名、ローマ字」に関しての問題です。

1番👉片仮名は万葉仮名の字画を省略したものです。

2番👉ローマ字のヘボン式表記方では「音素」と「文字」が一対一っで対応はしていないです。「き」は「ki」と表記し、文字1つに対して音素は2つです。

3番👉表語文字と言われる漢字は、表音文字にあたる、平仮名や片仮名、ローマ字に比べると種類が多いです。

4番👉助詞などの機能語は平仮名で表記します。

したがって正解は、4番

 

令和2-Ⅰ問題1-(6)

異字同訓についての問題です。仲間外れはどれ?

1番👉「切る」「斬る」・・

2番👉「興す」「起こす」・・

3番👉「採る」「取る」・・

4番👉「収める」「修める」・・

5番👉「届く」・・・同じ読み方のものはないです。。

したがって正解は、5番

 

令和2-Ⅲ問題7-問1

漢字の授業における指導上の注意点はなんでしょう?

 

1番👉漢字の筆順は板書よりも資料もあった方が分かりやすいですね。

2番👉漢字の導入に限らず、学習者のニーズは最優先です!

3番👉漢字の字形は板書やカードで示して、読みは音声で・・・?別々にってことでしょうか?板書しながら読み上げるほうがいいと思います。

4番👉送り仮名のある漢字は送り仮名と一緒に書かせたほうがいいですね。

したがって正解は、4番

 

令和2-Ⅲ問題7-問2

漢字系学習者の学習上の問題とは?(当てはまらないものを問われています)

1番👉漢字から文章の意味が推測できて・・・確かに文法の学習がおろそかになりそう。

2番👉母語の漢字知識に頼って、意味解釈を勘違いしそうですね。

3番👉個々の漢字を記号のように記憶・・・するのは漢字系学習者以外だと思います。

4番👉母語の漢字と日本語の漢字では字形上に違いがあり、書く際に間違えそう。

したがって正解は、3番

 

令和2-Ⅲ問題7-問4

漢字の字形についての問題です。字形が同一かどうか識別するための練習としてベストなのは?

名・名・名・各・名・名・・・

見・見・見・貝・見・見・・・

ぱっと見確かにどれも同じに見える!w・・・字形が似ている漢字を並べるこの問題は同一の字形を識別する練習としてはいいですね。

よって正解は、4番

漢字を使う学習者はしっかり見ればちゃんと違いが分かるけど・・・非漢字圏の学習者にとっては、漢字=記号に見えてしまうだろうし、「見」「貝」なんて同じに見えてしまいそう。。

 

 

文字と表記に関しては出題数が多いです!しっかり押さえておきましょう。

 

 

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

 

那覇・のうれんプラザ『丸吉塩せんべい』

f:id:somutamu_musume3:20210915130951j:plain

f:id:somutamu_musume3:20210915130935j:plain
f:id:somutamu_musume3:20210915130947j:plain

最近初めて購入した、ここのおせんべい。

せんべいにに・・・はねにもなれなかった・・・天使のはねシリーズの梅味。かるーい食感でとっても美味しかったです。

おやつにもおつまみにもぴったり🌟あっという間に一袋完食(笑)

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月

【言語と心理】言語習得・バイリンガリズム『バイリンガル教育』『イマージョン・プログラム』

Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  📚

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!

 

 

沖縄は台風14号の影響もほぼなくなり朝から気持ちのいい青空です🌞

ただ、今度は本州に近づいて影響が出てきてますね。。。お気をつけください。

 

さて、9月ももう折り返しです。。。皆さま勉強ははかどっていますか?私は・・・もう少しペースを上げないと、、という感じの状況です(^^;

今日も一日気合いを入れて勉強していきます💪

言語一般はひと休みして、言語習得~バイリンガルの内容に戻ります。

 

 

前回までのバイリンガルについて。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

 

 

バイリンガル教育

バイリンガル教育とは、バイリンガルを育成する教育、またはバイリンガルの子どもに対して行う教育のことを指します。

言語や文化、社会に対する考え方が多岐にわたるため、一言でバイリンガル教育といっても方法や目的はさまざまです。

例えば、少数派言語集団の同化を優先させる考え方もあれば、言語の多様性を重視し、多文化主義を目指す考え方もあります。

また、家庭での使用言語や学校の授業での使用言語、地域社会での使用言語、国際的、地域的にみた言語の地位などを考慮する必要もあり、複雑な要素が絡んでいます。

バイリンガル教育は、社会、経済、文化、政治など幅広い枠組みの中で捉える必要があります。

バイリンガル教育を教育形態で分類すると、二言語使用に消極的なものと積極的なものに分けられます。

 

 

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

移行型バイリンガル教育」と「サブマージョン・プログラム」

二言語使用に消極的な考え方で、最終的に一言語使用を目指します。

 

移行型バイリンガル教育

移行型バイリンガル教育は、子どもが使う言語を、家庭で使用する少数派言語から、社会の中で優勢な多数派言語へ移行させることを目指します。社会に同化させる目的のために行われます。

授業についていける語学力が付くまでは、一時的に母語での授業を受けます。

 

サブマージョン・プログラム

サブマージョン・プログラムは、少数派言語の学習者を多数派言語のクラスの中に入れて、通常の授業を受けさせ、自然に言葉を覚えさせるプログラムです。ただし、特別補習クラスなどを設け、多数派言語を教えることもあります。

日本での外国人児童生徒に対する教育環境は、サブマージョン状態となっている場合が多いです。

サブマージョンは沈めるという意味で、同化主義に基づいている考え方です。

 

 

維持型バイリンガル教育」と「イマージョン・プログラム」

二言語使用に積極的な考え方で、最終的に二言語使用を目指します。

 

維持型バイリンガル教育(継承語バイリンガル教育)

維持型バイリンガル教育は、子どもが持つ少数派言語と社会で使用される多数派言語を同時に伸ばし、文化的アイデンティティの強化を図る教育です。

学校では少数派言語集団の子どもたちが自分の母語、民族や家庭で使う言語(承継語)を使って授業を受けます。一方で、社会における多数派言語の力も付けさせます。

維持型バイリンガル教育は、継承語バイリンガル教育とも呼ばれていて、国内の少数民族集団の権利を肯定する考え方です。

継承語というのは親から受け継ぐ言語を指し、「母語」「相続言語」「民族語」「コミュニティー言語」とも言われています。移民が多い国では継承語教育が政策として行われているところもあります。

 

 

イマージョン・プログラム

イマージョン・プログラムは、学校の教科内容を二つの言語を使い分け、第一言語を維持しながら第二言語を習得させるバイリンガル教育です。教科学習を通して未修得の言語を身に付ける学習法の一つです。

共生社会を目指す考え方で、いつ、どのように行うかで、呼び方が異なります。

また、イマージョンは浸すという意味です。

目標とする言語の言葉だけを習得するのではなく、「その言語環境で」他教科も学びまさにその言葉に浸りきった状態での言語習得を目指します。

イマージョン・プルグラムの多くは小学校など比較的早い時期に行われる特徴があります。開始時期によって分類されます。

 

早期イマージョン

5、6歳(小学校入学くらい)から開始。

中期イマージョン

9、10歳(小学校5年生くらい)から開始。

後期イマージョン

11歳から14歳(中学校入学あたり)までに開始。

 

また、目標言語との接触時間でも分類されます。

 

完全イマージョン

クラス全員あるいはほぼ全員が初めて習う外国語を習得するため、教科のすべてを第二言語(目標言語)で行います。他の科目も目標言語によって教えられ、カリキュラム全体を通して言語習得ができます。

現実社会で使える自然な言語をマスターして、教わった科目もその言語で理解し、多文化を理解することが目標にあります。

 

部分イマージョン

授業の一部(50%から30%などさまざま)を第二言語(目標言語)で行うもので、必要に応じて言語習得のための時間も割きます。

目標は完全イマージョンと同じですが、完全イマージョンほどの堪能さは求められていません。

 

イマージョン・プログラムの成功例として、カナダのケベック州で1960年代に行われた「フレンチ・イマージョン」が有名です。

カナダは公用語が英語とフランス語ですが、ケベック州ではフランス語が話されています。ケベック州に来た英語話者の子どもたちがフランス語で教育を受けることで、高いレベルのフランス語能力が習得でき、英語能力においてもモノリンガルの子供たちと遜色がなかったとされています。

ただし、イマージョン教育を受けた子どもたちが文法的に正しいフランス語を使えるようになるとは限らないことや、社会的・文化的に適切な言語使用感覚が身に付かないことが多いという問題や、イマージョン教育の限界も指摘されています。

 

:::::::::::::::::::::

 

世界各国では、スペイン語、フランス語、日本語、中国語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、アラビア語など様々な言語をイマージョン・プログラムに取り入れているようです。

日本でも英語のイマージョン教育を行っている学校はあるようです。インターナショナルスクールがまさにそうですよね。

バイリンガルとひとことで言っても、それぞれ個人の生活環境や背景は様々です。

幼い時期に言語を習得する際の環境によって、または習得状況によってダブルリミテッド問題や他にも色々な影響が出てきます。個人のアイデンティティにも関わる問題です。

バイリンガルとして、幼少期から2言語同時に習得するのはメリット・デメリット両方の側面があるように思えます。

どの教育スタイルが正解かどうかではなく、対象となる子どもにとって、生活する上で何が大切で必要なのかによって決めていくべきものではないでしょうか。

 

 

日本語教育能力検定試験・過去問】・「イマージョン・プログラム」について出題されたもの

 

 

平成27-Ⅲ問題11-問2

イマージョン教育についての問題です。

イマージョン教育とは目標言語で教科も学びます。

したがって正解は、2番

 

平成27-Ⅲ問題11-問3

カナダのイマージョン教育の問題点とは?

フランス語は流暢になったものの、文法的に正しいフランス語を使えるようになるとは限らなかったそうです。

よって正解は、3番

 

平成30-Ⅰ問題11-問4

継承語についての問題です。(不適当なものを問われています)

1番👉継承語と現地語を用いてイマージョン教育をやっている学校はありそうです。

2番👉親の期待に応えて自発的に継承語の教室に行く子ども・・・いなさそう。

3番👉継承語の熟達度ごとのクラス分けは難しそうなので、熟達度が異なる子どもが同じクラスで学んでるっていうのはありそうです。

4番👉移住世代によって、継承語の熟達レベルもきっと違うから、必要となる教育形態も異なるはず。

したがって正解は、2番

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

名護・「道の駅・許田」

f:id:somutamu_musume3:20210911212256j:plain
f:id:somutamu_musume3:20210911083035j:plain

ずっと気になっていた道の駅。ついて立ち寄ることができました!

先日、瀬底島へ行った帰り道です。

ここの「さーたーあんだぎー」が気になったけど、お腹空いてなかったので買わずじまい。。ちょっと後悔w

 

やっぱり道の駅って楽しい!

 

www.watashinoarukikata-diary.com

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月

 

【言語一般】語彙の体系・語種『和語』『漢語』『外来語』『混種語』

Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  📚

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!

 

 

今日も朝から☔が降ったり止んだりな沖縄地方です。

昨日は仕事から帰って来た後、どうも勉強スイッチが入らず、、、30分ほどで切り上げてしまいました(^^; もう今日はやめたー!と切り替えてさっさと飲んで寝ましたw

(・・・たまにはいいよね?)

というわけで今日と明日は頑張ります!

 

さて普段何も考えず使っている日本語ですが、日本に昔からある言葉ばかりではなく時を経て外国から入ってきた言葉も多いんですね。

今日はそんな日本語の「語種」についてしっかり勉強していきましょう。

 

 

 

 

 

日本語の語彙の種別「語種」

語の起源や由来によって分類した種類、またはその借用関係から区別した種類を「語種」と言います。

この分類はあくまでもその「語」の日本における来歴と語形(発音)によるもので、漢字で書かれているから漢語、仮名で書かれているから和語だという表記上での区別ではないです。

語種には、「和語」「漢語」「外来語」(カタカナ語)・「混種語」の4種類があります。

それではそれぞれ種類ごとに詳しくみていきましょう。

 

 

語(非借用語

和語は、日本語固有の語を指します。外国との言語の上での交渉が行われる前から日本語の中に存在した語です。大和言葉「固有日本語」とも言われています。

例:「空(そら)」「食べる(たべる)」「暑い(あつい)」 等

表記上は漢字も使用しますが、あくまで表記上のことで、漢字だからといって漢語だというわけではありません。

 

和語特徴

・漢語に比べると、異なり語数は少ないけれども、反対に延べ語数が多いのが特徴です。特に話し言葉では、異なり語数、延べ語数とも和語の割合が多いです。

・公的生活から私的生活に移るにつれて和語の割合が多くなります。

・語形では、音素の数が比較的少なく、音節の構造も単純で、そのため同音語が多いのが特徴です。ほとんどの音が開音節(音節が母音で終わる)になります。

・「海・空・山・里・雲・星・月・花・虫・取・魚・・・」のように、具体的で個別ものを表す表現が豊富にあります。反対に抽象的な言葉が少ないです。

語頭に通常ラ行音や濁音は生じないです。

・語の中心的語基は「目・鼻・耳・頭・手・・・手袋・鳥籠」などのように1拍または2拍のものが多いです。

 

異なり語数・延べ語数についてはこちら。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

 

語(借用語

漢語は、字音語とも言われ、上代に大陸との交際が開けて以来、中国から直接または間接的に輸入された言葉を指します。多くは中国語からの借用語です。

例:「食物(しょくもつ)」「株式(かぶしき)」「昭和(しょうわ)」 等

ただし、「馬(うま)」「梅(うめ)」などは古代中国から輸入されたもので、早くから和語化されたもののひとつと言われています。

また、幕末から明治にかけて、西洋から多くの文物や制度が西洋語を通じて日本に紹介されたときに、それらの学術語を当時の知識人は漢字を用いて日本語にしました。

例えば「テレフォン」を当時は「電話」という漢語の形に造語して使ったと言われています。他には「物質」「地球」「元素」などは、江戸時代に蘭学者によりオランダ語から訳されたものもあります。

明治になると、「文学」「教育」「階級」などの漢語は英語からの中国語訳を借りてきて使い始めたもので、「哲学」「物理学」「郵便」など多くの学術語も漢語の形で造語されるようになりました。

現代の日本語の漢語の中で主流になっているものが、この頃新しく作られた漢語というわけです。

 

漢語特徴

・和語とは反対に、異なり語数が多く、延べ語数は少ないのが特徴です。

・和語とは反対に、私的生活から、公的生活に移るにつれて漢語の割合が多くなります。

・語形は、漢字一字の漢字音の拍数は通常1拍か2拍です。

・「日本」という語は「ニッポン」と音読みで読めば漢語になりますが、「ひのもと」と訓読みすれば和語として扱います。

・漢語の音読みとは漢字を「字音」で読むことで、この字音には「呉音」「漢音」「唐音」があって、さらに「慣用音」が少し加わります。

 

字音の種類

日本語には漢字一字に対して「呉音」「漢音」「唐音」という3種類の発音が存在します。

例「行」・・・呉音(ぎょう)・漢音(こう)・唐音(あん)

ただしこれらの3種類の読み方がすべて「さん」で一致する「三」のような漢字も存在します。

 

呉音は、一番古くから日本に入ってきたもので、来歴は6世紀ごろからと考えられてています。

当時日本は中国の南朝との交流があり、その南方の発音が日本に定着したのです。中国の南朝時代は長江下流地域には、呉の国があったことから「呉音」と名付けられました。

例:経文(きょうもん)・末期(まつご)・極楽(ごくらく) 等

仏教関係の語彙に多く残っています。

また漢音と比べると、、、

例:【呉音】男(なん)・女(にょ)・万(まん)・美(み)・無(む)

  【漢音】男(だん)・女(じょ)・万(ばん)・美(び)・無(ぶ)

上記のように濁音(d)と鼻音(m)の対立も見られます。その他にも対立の種類は色々あります、、、

 

漢音は、日本では7、8世紀、奈良時代後期から平安時代のはじめごろまでに、遣隋使や遣唐使や留学僧によって伝えられました。洛陽や長安を中心とした北方地帯の音韻体系を多く反映しています。

例:経済(けいざい)・末期(まっき)・極地(きょくち) 等

呉音では鼻音だったものが濁音、濁音だったものが清音となるなどの音韻の変化も見られます。また漢音は、当時の長安で清濁の対立がなくなり始めていたことも反映していると言われています。そのため呉音で全濁であったものが、清音として伝わっている物が多いです。

例:【呉音】勤(ごん)・禅(ぜん)・婆(ば)・定(じょう)・従(じゅう)

  【漢音】勤(きん)・禅(せん)・婆(は)・定(てい) ・従(しょう)

 

唐音とは、平安時代中期以降、鎌倉時代から江戸時代末期までに、宋、元はじめ、明、清などから入ってきた新しい音のことです。遣唐使が廃止され日中の交流が途絶えたあと、平安末から再開し留学僧や民間貿易の商人たちによって持ち込まれましたが、量的には極めて少ないです。

唐音の「唐」は漢音や呉音のように王朝名を表しているのではなく、あくまでも中国(唐の国)を表している語です。

例:椅子(いす)・行燈(あんどん)・和尚(おしょう)・西瓜(すいか)・南京(なんきん) 等

禅宗関係の用語や食物・調度品などについての語彙に多くみられます。

 

慣用

慣用音とは、字音が漢音・呉音・唐音に属さず、日本で独自の音に変化したものを指します。多くは間違って定着したものや発音しやすく言い換えられたものだと考えられます。

例えば「消耗(しょうもう)」は字音は「しょうこう」と発音されるけれど、「耗」の「つくり」の音に引かれて「もう」と読むようになったものです。

また、「口腔外科(こうくうげか)」の「口腔」も字音では「こうこう」になるものや、「憧憬(どうけい)」も字音では「しょうけい」になるものも、慣用音として「こうくう」「どうけい」と読まれています。

このように「偏」や「旁(つくり)」の音から誤って勝手に読まれ始めたものを別名「百姓読み」とも言われています。

 

 

外来語(カタカナ語借用語

外来語は、通常漢語を除いた言語からの借用語で、日本語の中に馴染んで日本語に同化したものを指します。(漢語も厳密にいえば外来語のひとつです)

そのため西洋から来た語がほとんどで「洋語」とも呼ばれていて、洋語の主なものは西欧語で、たいてい片仮名で表記されるため「カタカナ語」とも呼ばれています。量的には英語からの借用語が圧倒的に多いです。

 

外来語の特徴

・外来語の来歴順だと、最初がポルトガル語で16世紀中頃です。キリスト教の伝道師や商人を通じて、キリシタン用語や生活の品などと共に伝わってきました。

例:タバコ・カルタ・パン 等

それから18世紀に貿易を通じてオランダ語が伝わってきました。

例:コーヒー・ガラス・ビール 等

明治以降は英語の他、フランス語・ドイツ語・イタリア語・ロシア語等が入って来て、割合としては英語が80%を占めています。近年の英語の国際化につれて英語からの借用語は急激に増える傾向にあります。

・語形は、英語の「strike」が日本に取り入れられると、「ストライキ・ストライク」のようになって、原語の母音を伴わない子音の連続には全て母音を付けて開音節に変化して発音されます。

このようにカタカナは原語の発音を正確に表していないものも多いです。

また英語の調理台などを表す「range」も日本語では電子レンジと使われているものもあり、原語との意味のずれもあるのが特徴です。

・洋語の形態は、「する」や「だ」を付けて多くの動詞や形容詞などの派生語を作ります。

例:アドバイスする・サボる・ダブる・ナウい・リッチな 等

和製英語だと、ナイター・キャリアウーマン・ワイシャツ等があります。

 

 

 

混種

混種語とは、和語・漢語・外来語の組み合わせによってつくられる語を指します。

「和語+漢語」「和語+外来語」「漢語+外来語」「外来語+外来語」「和語+漢語+外来語」の5種類あります。

形態素の系統ごとに分類してみます。

 

【和語+漢語】

漢語に和語である活用語尾や接辞が付いたもの

例:食事する・面倒くさい・元気だ・丁寧さ

漢語と和語の組み合わせ

①漢語ー和語の構成重箱読み

例:重箱・縁側・絵筆・気軽・絵筆

①和語ー漢語の構成湯桶読み

例:湯桶・雨具・朝晩・梅酒・粗熱

 

【和語+外来語】

例:スタートする・インテリぶる・消しゴム・粉ミルク・足フェチ

 

【漢語+外来語】

例:省エネ・ガス爆発・石油ショック・製パン・カップ

 

【外来語+外来語】

例:ヘアサロン・・・ヘア(英)・サロン(仏)

 :レーズンパン・・・レーズン(英)・パン(葡)

 

【和語+漢語+外来語】

例:折れ線グラフ・野菜卸し売りセンター

 

 

 

過去問・「和語」「漢語」「外来語」「混種語」について出題されたもの

 

平成27-Ⅰ問題1-(10)

漢語の構造についての問題です。仲間外れはどれ?

1番👉力が無い・・・無力

2番👉高い音・・・高音

3番👉額が多い・・・多額

4番👉少ない数・・・少数

5番👉低い・下・・・低下

正解は、5番。低下のみ並列関係ですね。

 

平成30-Ⅲ問題3-問5

意味が類推できない外来語はどれでしょう?

外来語はカタカナで表記されると原語の発音や意味から変わってしまうものも多いです。そのため学習者を混乱させてしまうことも・・・

正解は、3番。「バイキング」は日本では食べ放題の意味で使われることが多いですが、本来は「海賊」という意味です。これは英語話者に「バイキングに行こうよ!」なんて言ったら混乱しますね(笑)

 

令和2-Ⅰ問題1-(5)

音読みについての問題です。仲間外れはどれ?

1番👉体(たいりょく)・・・漢音

2番👉扇(せんす)・・・唐音

3番👉学(がっき)・・・漢音

4番👉章(ぶんしょう)・・・漢音

5番👉降(下降)・・・漢音

正解は、2番。扇子のみ唐音です。

これは難しい・・・

漢音・呉音・唐音の区別・・・覚えてる人すごいです。なので上記で少し詳しく調べてみました。。。唐音のみ当て字のように特殊な発音なので数も少ないし覚えておくといいかも。。出題する方もさすがに、漢音と呉音の違いで問題は出さない?(^^;

 

令和2-Ⅰ問題11-問1

外来語の入って来た時期についての問題です。

16世紀半ばから17世紀初めにはポルトガル語が入ってきて、18世紀から19世紀にかけてオランダ語等の西欧語が入ってきました。

したがって正解は、3番

 

令和2-Ⅰ問題12-問5

混種語についての問題です。他と語種の組み合わせが異なるものはどれ?

1番👉中華(漢語)+ソバ(話語)・・・蕎麦って漢字ですが、、、和語!

2番👉窓(和語)+ガラス(外来語)

3番👉長(和語)+ズボン(外来語)

4番👉生(和語)+ビール(外来語)

正解は、1番。カタカナですべて書いてあるからと・・・外来語とは限らないから注意です。ズボンってフランス語から来てるんですねー。

 

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

沖縄のバンシルー(グァバ)の木

f:id:somutamu_musume3:20210911083042j:plain

最近初めて生で食べたグァバです。こんな木が沖縄では普通に庭に生えているんだとか。

いいなぁー。さすが南国!

 

www.watashinoarukikata-diary.com

 

 

なんだか今日は結構ボリュームいっぱいになってしまいました。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月

【言語一般】語彙の体系・種類『理解語彙・使用語彙』『基礎語彙・基本語彙』

Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!📚

 

 

今朝方、窓に当たる雨と風の音で目が覚めました。時おりかなり風が強くふいています。このまま沖縄からは遠ざかるようですが、今度は九州に近づく可能性があるようですね。

さて、明日から2連休です。でも海へ行く予定もないので、がっつり2日間勉強デーにしたいと思います💪

本日は「語彙」についての勉強です。

 

 

 

 

語彙とは?

「語彙」とは「単語」と同義語のように使われる傾向がありますが、これはある範疇(範囲・領域・分野)で使われる単語全体・・・つまり「ことばの集まり」という意味になります。

理解と使用の観点からみて「理解語彙」「使用語彙」の区別があり、語が使われる領域などからみて「基礎語彙」「基本語彙」があります。

 

 

理解語彙

理解語彙は、消極語彙・認知語彙とも呼ばれています。

聞いたり読んだりして意味が分かる語彙を指し、実際使わなくても理解できる言葉のことです。

理解語彙は、日本人の一般成人で約50,000語、10歳で約20,000語程度だと言われています。(義務教育終了時点では30,000語程度のようです)

 

使用語彙

使用語彙は、積極語彙・発表語彙とも呼ばれています。

知っているだけではなく実際に使うことができる言葉のことです。もちろん理解語彙よりも少なくなります。

使用語彙は、日本人の一般成人で約30,000語、10歳で約10,000語程度だと言われています。

 

 

基礎語彙

基礎語彙とは、特定の言語の基本的な部分を担う語の集まりで、日常生活を送る上で必要不可欠な言葉を指します。その言語の中で使用頻度が高い言葉です。

例えば「私は朝起きて、それからご飯を食べて、学校に・・・」などという場合の、それぞれの語がこれに当たります。

「名詞+助詞+動詞」などを組み合わせてさまざまな表現をすることができるのが特徴です。

特に基礎語彙は、日本語教育においては極めて重要な役割を持つものです。

 

 

基本語彙

基本語彙とは、ある社会全体や、特定の分野や領域における語彙の中での重要な語の集まりで、その分野でのコミュニケーションに必要不可欠な言葉を指します。

例えば、日本語教育を話題とする文脈では、「習得、学習、教科書、練習、復習、宿題・・・」などの語が頻出し、これらの言葉が使えないとコミュニケーションが成り立ちません。

この場合の「基本」の意味とは、特定の分野でのコミュニケーション成立には欠かせないものという意味になります。

 

 

::::::::::::::::::::

 

実際の日本語教育の現場では、言い換えには基礎語彙がとても大切になってきます。

なぜかと言うと、学習者が理解しにくい単語は、学習者がすでに習得している語彙を用いて言い換える必要が出てくるからです。

 

なお、語彙論や統計的な言語研究では、主観的に選定された基本度が高いと考えられる語彙を基礎語彙として、統計的な調査で客観的に選定された使用頻度の高い語彙を基本語彙としているようです。

日本語教育では、まず初級で日常生活に必要な基礎語彙を学習し、学習者の目的に合わせて基本語彙も指導していく必要がありますね。

 

 

語彙調査の「異なり語数」と「延べ語数」

ある作品や特定の分野などの範囲に限定して、その文章資料に含まれている語彙の構造について計量的に算定して、どんな語がどのように使われているかを調査研究することを「語彙調査」と言います。

この語彙調査によって、それぞれの領域の語彙的特色や相互の相違点、共通点などが分かります。

その中で、同じ語が何度も現れたときはそれらを一語と数えるものを「異なり語数」と言い、主に語の種類を調べます。一方、同じ語が現れてもそれぞれ一語と数えるものを「延べ語数」と言い、主に語の使用頻度を調べます。

 

 

 

過去問・「理解語彙」「使用語彙」「基礎語彙」「基本語彙」について出題されたもの

 

平29 -Ⅰ問題3-(16)

日本語の音素と語彙についての問題です。

現代日本語の音素は、母音音素5個、子音音素15個、モーラ音素3個の合計23程度あると言われています。

(母音 /a/, /i/, /u/, /e/, /o/、子音 /k/, /s/, /t/, /c/, /n/, /h/, /m/, /r/, /g/, /z/, /d/, /b/, /p/半母音 /j/, /w/特殊モーラ /n/, /q/, /h/)・・・音素については後程詳しく勉強します。)))

義務教育終了時点での理解語彙は30,000程度です。

したがって正解は、1番

 

平29 -Ⅰ問題5-問1

使用語彙とは?

1番👉日常生活に必要な語彙は基礎語彙です。

2番👉個人が聞いたり読んだりするときに分かる語彙は理解語彙です。

3番👉個人がコミュニケーションで使用で運用できる語彙は使用語彙です。

4番👉特定の資料の中で統計的に使用頻度の高い語彙は基本語彙です。

よって正解は、3番

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

海産物料理・市の「マグロカツ定食」

f:id:somutamu_musume3:20210912163442j:plain
f:id:somutamu_musume3:20210912163416j:plain

昨日は2週間ぶりに大好きな「市」へお昼ご飯を食べに行ってきました。

かなり久しぶりの「マグロカツ」。沖縄県のマグロ漁獲量は全国で3位なんだとか。

マグロカツは沖縄に来て初めて食べました。。。もはやお肉!

食べ応え満点です💮

 

 

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

www.watashinoarukikata-diary.com

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月

【言語一般】語彙の体系・語構成『複合語』『複合動詞』

Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!📚

 

 

台風14号の影響か、風がかなり強くなってきた沖縄地方です。ただ、雲多めですが晴れ間もみえます。どうやら台風は予想より随分西の方に経路をとっているようです。ふー、ちょっと安心しました。

さて、先日勉強した合成語のひとつ「複合語」についてもう少しつっ込んで詳しく勉強していきたいと思います。

「つっこむ」・・・これも「突く」と「込む」から成る複合動詞ですね!

日々日本語の勉強を続けていると、、、無意識にも自分の発した言葉について、いちいち考えてしまいます(^-^;

 

 

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

複合語と品詞の関係

複合語とは、本来独立して用いることができる語が複数結合したものを指します。

例えば「引く」+「寄せる」👉「引き寄せる」などです。このように複合語は2つ以上の語基から作られますが、複合語の品詞の分類は後の語の品詞で決まります

複合語の品詞については、並列的な性格の複合語は原則として名詞になります。

ただし動詞の場合、「山歩き」のように連用形で終れば名詞になります。

また、和語と和語、漢語と漢語、外来語と外来語のように同じ語種の組み合わせが多いです。ただし「書棚(しょだな)」のように漢語と和語(重箱読み)や、「赤字(あかじ)のような和語と漢語(湯桶読み)、「キッチン鋏」のように外来語と和語のような組み合わせも少なくないです。

また、複合動詞を作る、「込む」には、「乗り込む」「上がり込む」と「使い込む」「走り込む」などのように二通りの意味があるものもあります。前者は中の方へ入る行為を表し、後者はその動作を十分に行うという意味を表しています。

 

複合語の品詞ごとにどんな種類があるか見ていきましょう。

 

複合語の品詞ごとの種類

 

複合名詞

動詞+動詞  👉名詞・・・投げ切り・生き別れ(動詞の連用形)

動詞+名詞  👉名詞・・・飲み物・炒めご飯・釣り人

名詞+動詞  👉名詞・・・箸置き・耳かき・目ざまし(動詞の連用形)

名詞+名詞  👉名詞・・・海風・夜間学校・神棚

イ形容詞+動詞👉名詞・・・悪酔い(動詞の連用形)

イ形容詞+名詞👉名詞・・・近場・長話

ナ形容詞+名詞👉名詞・・・親切心・有名人

 

複合動詞

動詞+動詞  👉動詞・・・入り込む・取り出す・見送る

名詞+動詞  👉動詞・・・色づく・名づける・旅立つ

イ形容詞+動詞👉動詞・・・遠のく・近づく・近寄る

副詞+動詞  👉動詞・・・イライラする

 

複合イ形容詞

動詞+イ形容詞  👉イ形容詞・・・蒸し暑い・生き辛い・忘れ難い・見苦しい・粘り強い

名詞+イ形容詞  👉イ形容詞・・・物珍しい・腹黒い・用心深い・心細い

イ形容詞+イ形容詞👉イ形容詞・・・堅苦しい・青白い・細長い

 

複合ナ形容詞

名詞+イ形容詞👉ナ形容詞・・・身重(な)・気長(な)

名詞+ナ形容詞👉ナ形容詞・・・物静か

ナ形容詞+ナ形容詞👉ナ形容詞・・・きれい好き

 

 

複合動詞

複合語の中でも、特に複合動詞は統語的なものや語彙的なものなど構成が単純ではないものが多いです。

もう少し複合動詞について詳しく見ていきます。

 

連用形複合動詞とテ形複合動詞

ある動詞(前の語)に別の語(後の語)を付けて作られる複合動詞ですが、複合動詞には「使いはじめる」のように前の語が「連用形」になるものと、「使ってある」のように「テ形」になるものがあります。

前者を連用形複合動詞と呼び、後者をテ形複合動詞と言います。

 

統合的複合動詞と語彙的複合動詞

複合動詞のうち、前の語が動詞としての性質を保持したままで、さまざまな動詞をとることができ、受身や使役形などの形式をとることができるものを統語的複動詞と言います。

また、後部要素の動詞は結合後に本来の意味を失い、文法的な機能を担うようになり、補助動詞とも呼ばれたりします。

 

主にテ形複合動詞はこの統語的複合動詞にあたります。

例:買ってくる (テ形複合動詞)

 :読まれはじめる (連用形複合動詞)

 

一方で、前の語が動詞としての性質を一部または全部失っているもので、前の語に現れる動詞が限られ、受身や使役形などの形式をとることができない複合動詞を語彙的複合動詞と言います。(後部要素の動詞は結合語も語彙的な意味を担っています)

 

連用形複合動詞はこの語彙的複合動詞と統語的複合動詞と両方のものがあります。

例:書きあげる (連用形複合動詞)

 :走りだす (連用形複合動詞)

 

 

テ形複合動詞の構成

テ形複合動詞は上記の通りほとんどが統語的複合動詞になります。

意味ごとに分類してみます。

 

アスペクトに関するもの

【~ておく・~ていく・~ている・~てある・~てしまう・~てくる】

例:買っておく

 :持っていく

 :食べている

 

アスペクトについてはこちら。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

授受に関するもの

【~てあげる・~てもらう・~てくれる・~てやる】

例:撮ってあげる

 :買ってもらう

 :渡してくれる

 

その他

【~てみる】

例:食べてみる(試しに何かの動作を行うこと)

【~てみせる】

例:書いてみせる(ある動作を他の人に行って見せること)

 

 

連用形複合動詞の構成

連用形複合動詞は、統語的複合動詞語彙的複合動詞もあります。

語彙的複合動詞の場合は、前の語が動作の様態や手段を表して、後ろの語が動作の結果や向かう方向を表すことが多いのが特徴です。

例:持ちあげる(持って上にあげること)

 :たたきだす(たたいて外にだすこと)

 :押しもどす(押しながら元に戻すこと)

 :振りおとす(振りながら下に落とすこと)

 

 

統語的複合動詞の意味ごとに分類してみます。

 

アスペクトに関するもの

【~かける・~かかる・~はじめる・~だす・~つつある・~つづける・~つづく・~おわる・~おえる・~やむ・~きる・~つくす・~あげる・~ぬく・~とおす】

例:読みかける

 :読みつづける

 :読みおわる

 :読みきる

 

不遂行の意味を表すもの

【~わすれる・~そこなう・~そびれる・~しぶる・】

例:買いわすれる

 :買いそこなう 

 :買いしぶる

 

その他

【~あう】

例:誘いあう(お互いに何か動作をすること)

【~なおす】

例:言いなおす(再度動作を行うこと)

【~かえす】

例:取りかえす(元の状態にもどすこと)

 :言いかえす(ある動作を相手やものへ行うこと)

 :読みかえす(ある動作を繰り返すこと)

 

 

複数の意味を持つ複合動詞

同じ動詞であっても、複合動詞になると意味が異なる場合もあります。

【あげる】

例:持ちあげる(ある動作を上の方向へ行うこと)

 :書きあげる(動作が完了したこと)

【きる】

例:断ちきる(切断すること)

 :飲みきる(ある動作を完了したこと)

【こむ】

例:流れこむ(ある動作が内方向へ向かうこと)

 :思いこむ(強意を表しある行為を十分に行うこと)

 

 

 

過去問・「複合動詞」「補助動詞」について出題されたもの

 

平成27-Ⅰ問題1-(15)

複合名詞と複合動詞についての問題です。仲間外れはどれ?

それぞれ複合名詞を複合動詞にしてみます。

1番👉「着回し」は「着回す」

2番👉「持ち込み」は「持ち込む」

3番👉「見直し」は「見直す」

4番👉「走り書き」は「走り書く」・・・とは言わない?「走り書きする」ですね。

5番👉「やり過ぎ」は「やり過ぎる」

正解は、4番

 

平成28-Ⅰ問題1-(7)

複合動詞の意味で分けたときの問題です。仲間外れはどれ?

「切る」とは字の通り切断という意味と、動作を完了させるという意味もあります。

1番👉「飲み切る」は「終わる」と置き換え可能です。

2番👉「使い切る」は「終わる」と置き換え可能です。

3番👉「嚙み切る」は「切断」の意味です。

4番👉「出し切る」は「終わる」と置き換え可能です。

5番👉「走り切る」は「終わる」と置き換え可能です。

したがって正解は、3番です。

 

令和1-Ⅰ問題1-(8)

複合動詞に含まれる「補助動詞」についての問題です。仲間外れはどれ?

補助動詞とは本来の意味を失っているものです・・・

正解は、2番

「持ってかえる」の「かえる」は本来の意味を失っていませんね。

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

沖縄のヤモリ

f:id:somutamu_musume3:20210912063212j:plain

タイではしょっちゅう見かけたヤモリ。家の外壁によくいます。

沖縄でもたまーに部屋に出没します。昨日も帰宅したら玄関に動く何かが・・・

ちょっとビックリしますが(Gじゃないかと思い💦)かわいい☆

写真撮ったあとはしっかりベランダへ逃がしてあげました。

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月

【言語一般】語彙の体系・語構成『単純語と合成語』『派生語・複合語・畳語』

Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!   今日も日本語の勉強を頑張りましょう!📚

 

f:id:somutamu_musume3:20210911083110j:plain

 

一昨日は今年初の「瀬底島」へ行ってきました🌊ここ最近は毎週どこかしら海へお出掛けしています🌊🌊

沖縄生活も残りわずかかと思うと・・・やはり名残惜しくなりますね。改めて沖縄も自分にとって大好きな場所なんだということに気が付きました。

 

それでは今日も昨日に引き続き、『語』の構成について勉強していきましょう。

 

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

 

語構成とは?

語構成とは、「語のできかた」を意味し、その結び付き方に着目したものです。

「語」の構成要素である、「語基」「語幹」「接辞」などを取り上げて、それれぞれがどのように結合されているのかを分析する分野です。

 

語基と接辞についてはこちら。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

語構成には大きく分けて、「単純語」「合成語」があります。

 

単純語と合成語

例えば「山里育ち」という語は「山里」と「育ち」に分けられます。

また、「山里」も「山」と「里」に分けられ、このような語を「合成語」と言います。

単純語と合成語の区別は、語の中に形態素をいくつ含むかの違いになります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

単純語

単純語は「山」のように語の中に意味を持つ形態素1つしか持たないものを指します。

例:里・歌・遊ぶ・ゆっくり・コーヒー 等

 

合成語

合成語は、「山里」のように語の中に2つ以上の形態素を持つものを指します。

例:雨傘・お水・神々 等

これらの複数の形態素がどのような特徴を持つかによって、合成語はさらに「複合語」「派生語」「畳語」に分類されます。

 

 

複合語

複合語とは、語彙的な意味を持ち本来独立して用いられる形態素が、複数結合してできている語です。

要するに自由形態素である「語基」が2つ以上からなるものです。

例:山+登り👉山登り

 :春+雨👉春雨

 :勉強+部屋👉勉強部屋

複合語は、されに複合名詞や複合動詞、複合形容詞などがあり構成パターンがまだまだあります。。。後程詳しく見ていきたいと思います。

 

 

派生語

派生語とは、語彙的な意味を持つ形態素(語基)と文法的な意味を持つ形態素(接辞)から構成される語です。接辞には語基の前に付くものを接尾辞と呼び、後に付くものを接尾辞と呼びます。

また、活用以外の語尾変化で別の語として作られるものも含みます。

つまり自立語に付属語が付き語が派生して別の語になるということですね。

例:お+花👉お花 (名詞👉名詞)

 :美し+さ👉美しさ (イ形容詞👉名詞)

 :た+やすい👉たやすい(容易い) (イ形容詞👉イ形容詞)

 :素人っ+ぽい👉素人っぽい (ナ形容詞👉イ形容詞)

 :春+めく👉春めく (名詞👉動詞)

 

また「ごはん」「おなか」の「ご」と「お」のように、それぞれ元は接頭辞であったものが語基と同化してしまって、今は接頭辞扱いされないものもあります。「おにぎり」も接頭辞の「お」を外してしまうと意味が変わってしまいます。

 

派生語の接頭辞と接尾辞についてもう少し詳しく。。

 

接頭辞

接尾辞に比べると種類が少ないようです。また和語が少なく漢語が多いのも特徴です。通常品詞は変化しません。

接頭辞が付く品詞別に分類します。

名詞につくもの

例:関係・完成・機嫌・学校・人・ん中・素人・

動詞につくもの

例:ぶん殴る・ぶっ飛ぶ

イ形容詞につくもの

例:細い・えらい・ほの暗い

ナ形容詞につくもの

例:親切・真面目・常識

 

接尾辞

接頭辞に比べると種類が多く、和語も漢語も両方あります。

さらに品詞を変えることも多いのが特徴です。

名詞に派生するもの

例:○○さん・○○・歴史・栄養・運転・彼・生徒たち・先生がた・植物・合理

大き・辛(品詞の変化あり)

他の品詞から名詞になったものを転成名詞と言います。

動詞に派生するもの

例:強がる・夏めく・涙ぐむ・苛立つ・丸まる・休みたがる・黄ばむ・大人ぶる(品詞の変化あり)

イ形容詞に派生するもの

例:素人っぽい・信じがたい・生きづらい・子どもらしい・話しやすい・解りにくい・未練がましい(品詞の変化あり)

ナ形容詞に派生するもの

例:機械・忘れがち(品詞の変化あり)

 

また、動詞の語幹につく活用語尾も接尾辞のひとつとして考えます。

助動詞の使役「させる」や受身の「られる」、願望の「たい」、否定の「ない」なども語を派生させます。

例えば「考えさせる」は「考え」と「させる」に分けられ、さらに「させる」は「させ」と「る」に分けることができます。

また「考えない」の「ない」は形容詞として「な」と「い」の形態素に分けることができます。この「させ」や「な」は動詞や形容詞の語幹を派生させ、「る」や「い」は活用のための接尾辞と考えることができます。

要するに、文法関係の変更などに関わる活用語尾も接辞に含まれるということですね。

 

派生語も奥が深い!

 

畳語(じょうご)

畳語とは、複合語の中で同じ語を反復したものを指します。

例:我々(われわれ)・泣く泣く(なくなく)・時々(ときどき) 等

また畳語は・・・擬態語や擬音語にもみられますが、必ずしも畳語が擬態語や擬音語になるわけではないです。

擬態語等には連濁現象は起きないけれど、畳語は「時々」や「白々」「常々」などのように連濁現象がみられることがあります。

また、擬態語・擬音語は助詞「と」を伴う副詞が多いけれども、擬態語・擬音語ではない畳語は「と」を伴わないのが特徴です。

 

 

過去問・「単純語・合成語」「複合語」「派生語」について出題されたもの

 

 

平成27-Ⅰ問題3-(6)

語構成についての問題です。

語にはそれ以上に分けられない単純語と、分けることができる合成語があります。

よって正解は、2番

 

平成27-Ⅰ問題3-(7)

特殊な意味に変化している複合語とは?

1番👉「魚釣り」は魚を釣ること。

2番👉「値上げ」は値段が上がることです。

3番👉「箸置き」は箸を置くもののことです。

4番👉「人助け」は人を助けることです。

3番以外は、前の語が後ろの語の目的語になっています。3番は箸を置くという意味ではなく、箸置きという特殊な意味に語が変化している複合語です。

したがって正解は、3番

 

平28-Ⅰ問題1-(3)

接辞の付加に伴う品詞の変化についての問題です。仲間外れはどれ?

1番👉「~がる」は「休みたがる」「遊びたがる」など名詞が動詞に変化します。

2番👉「~たち」は「子どもたち」「大人たち」など名詞が名詞のままです。

3番👉「~さ」は「大きさ」「美しさ」などイ形容詞が名詞に変化します。

4番👉「~める」は「強める」「高める」などイ形容詞が動詞に変化します。

5番👉「~的」は「建設的」「行動的」など名詞がナ形容詞に変化します。

よって品詞が変化しないのは・・・正解は、2番

 

平成29 -Ⅰ問題1-(6)

派生語の語構成についての問題です。仲間外れはどれ?

1番👉「栄養士」は栄養を管理する人。

2番👉「調査官」は調査する人。

3番👉「審査員」は審査する人。

4番👉「依頼人」は依頼する人。

5番👉「看護師」は看護する人。

1番以外は後ろの語を前の語で説明しています。栄養する人・・・はおかしいですね。

したがって正解は、1番

 

令和1-Ⅰ問題1-(5)

語構成についての問題です。仲間外れはどれ?

1番👉耳に当てる「耳当て」

2番👉下に敷く「下敷き」

3番👉台を拭く「台拭き」

4番👉膝に掛ける「膝掛け」

5番👉前に書く「前書き」

3番だけ格関係が他とは違いますね。よって正解は、3番

 

令和1-Ⅰ問題1-(6)

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

沖縄・本部町「瀬底島」

f:id:somutamu_musume3:20210911083135j:plain

f:id:somutamu_musume3:20210911083115j:plain
f:id:somutamu_musume3:20210911083058j:plain

毎年・何度行っても・・・この海の美しさには感動します。

この海の青さを見ると胸がいっぱいになります。沖縄に居られることに感謝するばかりです。

沖縄に来てほんとうに良かった。。

f:id:somutamu_musume3:20210911083123j:plain

熱帯魚とも一緒に泳ぐことができて最高です!🐠

水族館の水槽の中を泳いでいるよな・・・本当に不思議な体験です。

機会があったら是非訪れてみてください!

 

去年の日記です。

www.watashinoarukikata-diary.com

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月

f:id:somutamu_musume3:20210911083103j:plain

 

【言語一般】語彙体系・音韻変化現象『転音』『連濁』『連声』『音韻添加』『音韻融合』『音韻脱落』『半濁音化』『音便化』

Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!! 

 今日も日本語の勉強を頑張りましょう!📚

 

 

明日くらいから沖縄は台風14号の影響が出てきそうです。。。

 

さて、先日形態素の勉強をしました。

形態素の異形態として音韻的な変化がある、という内容もありましたね。今日はそんな「音韻変化現象」についての勉強です。とても色んな種類があります!

 

 

形態素についてはこちら。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

音韻変化現象とは?

ある語が別の語と結合して合成語が作られるとき、単独で使われる形と異なった形になる場合があります。これは音韻の変化が構成要素のつなぎ目に起こる現象です。音韻変化は、前の語の構成要素の最後の母音や最終音節、後ろの語の構成要素の初頭の音節(子音)に起こるもので、音韻変化現象(変音現象)
と呼ばれています。

「転音」「連濁」「連声」「音韻添加」「音韻融合」「音韻脱落」「半濁音化」「音便」 等があります。

それぞれ詳しく見ていきます!

 

転音・末尾母音の変化

形態論的には、異形態の音声的な変化は、他の形態素と隣合う場合に起きていました。

転音は、前の語の末尾の母音の音が変化する現象です。

例:/e/👉/a/  酒(sake)👉酒蔵(sakagura)・・「け」が「か」になる

        雨(ame)👉雨傘(amagasa)・・「め」が「ま」になる

        風(kaze)👉風上(kazakami)・・「ぜ」が「ざ」になる

 :/i/👉/o/     木(ki)     👉木陰(kokage)・・「き」が「こ」になる

前の語の母音に着目すると、母音が /a/ の一種類のみになっています。これは発音の労力を軽減させるためと考えられています。

 

連濁

上記の転音のように、形態論的に考えた場合、連濁も異形態が単語の中に現れるものです。

具体的には、後ろの語の先頭の無声子音(カ行、サ行、タ行、ハ行)が有声子音に変化する現象です。

例:雨(あめ)+傘(さ)👉雨傘(あまさ)

 :甘(あま)+酒(け)👉甘酒(あまけ)

 :神(かみ)+棚(な)👉神棚(かみな)

 :本(ほん)+箱(こ)👉本箱(ほんこ)

 

しかし必ずしも濁音化が起こるというわけではないようです。「大橋(おおはし)」のように連濁が起こらない場合もあります。

時代や方言、また人によりさまざまで明確な法則はないようですが、いくつか傾向はあるようです。

 

連濁が起こりやすい条件

一般的に後の語の要素の最初の子音

例:旅(たび)+人(ひと)👉旅人(たびと)

前の語の最後の音が鼻音のとき

例:陰(かげ)+口(くち)👉陰口(かげち)

意味的にみると前の語が後の語を説明しているとき(修飾関係)

例:兄弟のけんか👉兄弟げんか(きょうだいんか)

 :子供の部屋👉子供部屋(こどもや)

前の語が後ろの語の手段や道具をあらわしているとき

例:手で書く👉手書き(てき)

 :足で踏む👉足踏み(あしみ)

前の語が後ろの語の様態を表しているとき

例:飛んで蹴る👉飛び蹴り(とびり)

 :走り書く👉走り書き(はしりき)

和語の方が漢語より連濁現象が起こりやすい

例:雨傘👉あま

 :谷川👉たに

 :口笛👉くち

同字の点(々)が付けられる語・畳語

例:時時(時々)👉とき

 :神神(神々)👉かみ

 

連濁が起こりにくい条件

後の語の第二拍目が濁音のとき(ライマンの法則)

例:春風(はるかぜ)・縄跳び(なわとび)・星屑(ほしくず)

※「縄梯子(なわしご)」のように後ろの語の三拍目が濁音の場合連濁現象が起きることもあります。

名詞+動詞で、前の語が後の語の目的語になっているとき

例:草+刈り👉くさかり(草を刈る)

 :パン+切る👉ぱんきり(パンを切る)

前の語と後の語が並列関係のとき

例:草木(くさき)・田畑(たはた)・飲み食い(のみくい)・読み書き(よみかき)

漢語や外来語

連濁は日本語独自の連音現象のため、特に和語に起きやすく、漢語や外来語では極めて少ないです。

例外として・・・「株式会社(かぶしきいしゃ)」などがあります。

 

連声

連声とは、前の音節の末尾が、[m]、[n]、[t] の子音で終わる語に、母音(ア行)または半母音(ヤ行・ワ行)で始まる語が接続した場合に、後ろの語頭がそれぞれ「マ行」「ナ行」「タ行」に変化する現象です。

「ヤ行」から「ナ行」「マ行」に変化するときは拗音になります。

言語学的には長音化の一種として考えられています。

「反(han)」+「応(ou)」は「反応(hannou)」と発音することによって、接続する部分に前の語の語尾の子音が挿入されています。

漢語の熟語によく見られます。

※[m]、[n] は「ん」の異音になります。異音については音声分野で詳しくやる予定です。

 

例:三(さん)+位()👉三位(さん)・・「ア行」が「マ行」になる

 :陰(おん)+陽(う)👉陰陽(おんみょう)・・「ヤ行」が「マ行」になる

 :反(はん)+応(う)👉反応(はんう)・・「ア行」が「ナ行」になる

 :因(いん)+縁(ん)👉因縁(いんん)・・「ア行」が「ナ行」になる

 :銀(ぎん)+杏(ん)👉銀杏(ぎんん)・・「ア行」が「ナ行」になる

 :雪(せつ)+隠(ん)👉雪隠(せっん)・・「ア行」が「タ行」になる

※「雪」は室町時代は[setsu]ではなく[set]と発音されていたようです。

「原因(げんいん)」のように連声しないものもあります。

 

 

音韻添加(子音挿入)

音韻添加とは複合語の後ろの語に、元はない子音が添加される現象です。これは極めてまれな現象です。

例:春(haru) +雨(ame)👉春雨(harusame)・・ /ame/ の前に /s/ が挿入されている

 

 

音韻融合

音韻融合とは複合語の前の語と後ろの語が結び付いた部分が・・・まさに融合した現象です。

すみません・・・説明が下手で(^^;)

例:若(わか)+人(ひと)👉若人(わこうど)

 :仲(なか)+人(ひと)👉仲人(なこうど)

 :狩(かり)+人(ひと)👉狩人(かりゅうど)

これはそんなに種類はないと思うので、そのまな覚えるのが良さそうですね。

このような発音になったのも・・・やはり発音のしやすさからなのでしょうか。

 

 

音韻脱落

音韻脱落とは複合語の音の一部がなくなる現象です。

例:河(かわ)+原(はら)👉河原(かわら)

 

ません・・・すません、これも(sumimasen)の母音の音 /m/ が無くなっているので音韻脱落のひとつなのでしょうか。

 

 

半濁音化

半濁音化とは後ろの語が「ハ行」から「パ行」に変化する現象です。

例:審(しん)+判(はん)👉審判(しんん)

 :折(せつ)+半(はん)👉折半(せっん)

 :突(とつ)+発(はつ)👉突発(とっつ)

 :一(いち)+方(ほう)👉一方(いっう)

 

 

音便・末尾音節の促音化、撥音化

音便とは単語中の音や複合語中の音が「促音(っ)」「撥音(ん)」「イ」「ウ」に変化する現象です。

促音化(っ)

終止形が「う」「つ」「る」で終わる動詞を「て形」(連用形)にしたときに起きる現象です。

例:買う👉書きて👉買て・・「き」が「っ」になる

 :立つ👉立ちて👉立て・・「ち」が「っ」になる

 :乗る👉乗りて👉乗て・・「り」が「っ」になる

その他には

例:引く(ひく)+掻く(かく)👉引っ掻く(ひかく)

 :熱(ねつ)+心(しん)👉熱心(ねしん)

 :追う(おう)+払う(はらう)👉追っ払う(おぱらう)

これも発音の労力を軽減させるためと考えられています。

 

撥音化(ん)

終止形が「む」「ぶ」「ぬ」で終わる動詞を「て形」(連用形)にしたときに起きる現象です。

例:飲む👉飲みて👉飲で・・「み」が「ん」になる

 :飛ぶ👉飛びて👉飛で・・「び」が「ん」になる

 :死ぬ👉死にて👉死で・・「に」が「ん」になる

その他には

例:引く+曲げる👉引んまげる(ひまげる)

 

イ音便化

終始形が「く」「ぐ」で終わる動詞を「て形」(連用形)にしたときに起きる現象です。

例:書く👉書きて👉書て・・「き」が「い」になる

 :嗅ぐ👉嗅ぎて👉嗅で・・「ぎ」が「い」になる

 

ウ音便化

現代語では形容詞の連用形に「ございます」などを付けたといに現れる現象です。

例:暑い👉暑く+ございます👉暑ございます

 :なつかしい👉なつかしく+ございます👉なつかしゅございます

 

 

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

多分ここれにあげれないくらい、、、もっと色々が音韻変化があるんだと思います。規則性があるものはいいですが、規則性がないものも。。(^^;)

とりあえず言えることは、きっと歴史の流れとともに発音しやすく変化してきたのではないでしょうか。

そしてこれからも少しづつ変化していく言葉もあるんでしょうね~。

 

 

過去問・「連濁」「連声」について出題されたもの

 

連濁について。。

 

平成27-Ⅰ問題3-(9)

連濁についての問題です。連濁とはどういう現象でしょうか?(不適当なものを問われています)

1番👉和語は連濁しやすく、外来語はほとんど連濁しないです。

2番👉外来語も漢語もまれに連濁する場合があります。「株式会社」は漢語ですが連濁します。

3番👉母音に挟まれた無声子音が同化するため連濁が起きます。

4番👉二つの要素で一語化しています。

したがって正解は、2番

 

平成27-Ⅰ問題3-(10)

連濁について、ライマンの法則の例外とは?

ライマンの法則とは、後の語にもとから連濁があると連濁が起きにくいというものです。

よって正解は、4番。上記参照。

 

平成27-Ⅰ問題3-(11)

連濁についての問題です。

前部要素と後部要素の意味関係によって連濁しにくいものとは?

正解は、1番。上記参照。

 

平成29-Ⅲ問題4-問3

連濁が起こりにくい条件とは?

「魚の尾と鰭」という意味では並列関係にあるので連濁が起きず「尾鰭(おひれ)」と発音します。

「魚の身体の後端にある鰭」という意味では、前の語が後ろの語の説明をしているので「尾鰭(おびれ)」と発音します。これは修飾構造より並列構造のほうが意味的な結合が低いため連濁が生じにくいと言えます。

したがって正解は、3番

 

平成29-Ⅲ問題4-問4

上に続いて連濁が起こりにくい条件についてです。

漢語や外来語は連濁が起きにくいです。よって正解は、2番。上記参照。

 

平成29-Ⅲ問題4-問5

またまた続いて連濁が起きにくい条件について・・・その要因について学習者に理解させる指導として適当なものは?

正解は、3番。ライマンの法則です。後ろの語に元から濁音が含まれているときには、連濁が生じにくいということを指導するといいですね。

「えりまきどかげ」にはならないです!

 

令和1-Ⅲ問題2-問1

「東京方言」についての問題ですが、、、連濁とウ音便の話がでてきたのでここで紹介です。

さて、東京方言の音韻現象として不適当なものとは?

1番👉「箱(はこ)」などが複合語の後部要素になったときは連濁を起こしますね。

「ふでばこ」「ゴミばご」です。〇

2番👉「白い」などの活用語尾が連用形でウ音便を起こす・・・連用形は「白く(なる)」です。「白うなる」関東では・・あまり言わない気がします。関西の方でしょうか。。

3番👉「北(kita)」など、無声子音に挟まれたとき母音の「i」「u」は無声化します。これを母音の無声化といいます。〇

4番👉「若い(wakai)」が「わけー」となるのは、連母音/ai/が融合し「エー」となるからです。この現象は関東の若者に見られるようです。〇

そうすると消去法で正解は、2番

 

令和2-Ⅰ問題3-(5)

連濁についてです。連濁が起きる条件として不適当なものは?

1番👉同じ語であっても時代によって連濁の有無が変わる・・・?

2番👉前後の要素が並列的な関係の場合、連濁が起きにくいです。起こりやすいは誤りです。✖

3番👉後部要素に連濁が含まれている場合、連濁が回避されやすいです。〇

4番👉和語のほうが漢語や外来語より連濁が起こりやすいです。〇

これは確実なのは2番!と自信を持って・・・たのですが、ちょっと1番の選択肢が不明です。。時代によって連濁の有無って違ってたんですね!間違っている文章は2番なので、きっとそうなんですね~。勉強になりました。

とりあえず正解は、2番

 

 

連声について。。

平成28-Ⅰ問題3-(14)

連声が起きているのはどれでしょう?

1番👉「舟歌(ふなうた)」は転音現象です。

2番👉「観音(かんのん)」は連声現象です。

3番👉「国旗(こっき)」は促音化現象です。

4番👉「小雨(こさめ)」音韻添加です。

よって正解は、2番。詳しくは上記の説明をご参照ください。

 

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

那覇とまりん「かりゆしアーバンリゾート那覇

f:id:somutamu_musume3:20210908205451j:plain
f:id:somutamu_musume3:20210908205447j:plain

那覇市前島の「とまりん」内にある「沖縄かりゆしアーバンリゾート・那覇」。なんと10月末で閉館してしまうのだとか。。

今年に入り賃料増額による経営圧迫などが理由のようです。

ただこの今のコロナ過になってからは色んなホテルが閉館してきているのを見かけます。

9月の緊急事態宣言も沖縄は30日まで延長が決定です。

でも感染者は減ってきているようなので。。前向きにいきたいですね。前途洋々。

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月