【言語と心理】言語習得と発達・バイリンガリズムと『風船説・氷山説』『生活言語能力・学習言語能力』

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Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  📚

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!

 

 

昨日は関東に住む友人から久しぶりにラインがあり・・・ちょっとセンチメンタルになってしまいました。

友人とは20代の頃OLをしていた時に知り合ったんですが、とても気が合いそれ以来色々と私の環境が変わってもいまだに交流が続いています。

大げさかもしれないけど、人生を通してこんな友人と出会えたことは私の宝物です。

今は離れていて会えないけど、彼女が元気で過ごしていることを感じてとても嬉しく思いました。

 

今日は昨日に続いてバイリンガルについての勉強です。

あ、そんな友人もオーストラリアに住んでいたので英語が堪能です。。。羨ましい!!

 

 

 

 

共有基底言語能力モデル(氷山説)と分離基底言語能力モデル(風船説)

バイリンガルリズムにおける言語能力と認知機能や学力の関係については、さまざまな研究や仮説が行われてきていて、時代とともに考え方も変わっています。

代表的な仮説に、アイルランド出身のバイリンガル理論の研究者である、Jim Cummins:ジム・カミンズにより提唱されたものがあります。

カミンズはバイリンガルの言語能力として、2つのモデルを提唱しました。

共有基底言語能力モデル」(氷山説)「分離基底言語能力モデル」(風船説)です。

 

分離基底言語能力モデル(風船説)

風船説とは、2つの言語が脳内に風船のように共存しているイメージです。

脳内のスペースは限られているため、1つの風船が膨らむと、もう一方はしぼんでしまいます。要するに、第二言語を使用しているときは第一言語の風船はしぼみ、第一言語を使用するときは反対に、第二言語の風船がしぼむという考え方です。

この説は、第一言語第二言語の習得に妨げになるという考えに繋がり、バイリンガルであることをネガティブに捉えています。

また、2つの言語を習得したり使用したりるとき、風船が膨らんだりしぼんだりすることから、それぞれの言語の知識や能力は転移することもなく別々に機能していると考えられます。

 

共有基底言語能力モデル(氷山説)

氷山説のイメージは二つの並んでいる氷山です。氷山は海上(見た目)では離れて見えているけれども、海の下ではつながっています。

バイリンガルが2つの言語を習得したり使用したりする場合、別々に機能しているように見えても基底部分では共有しているという考え方です。

氷山説では一方の言語で理解したことは、もう一つの言語への転移が可能で、言語間で相互に行き来が可能だと考えます。

例えば、1つの言語で抽象度の高い読解ができるようになったらもう一方の言語でもおなじように読解ができるようになるという考え方です。

また、主に共有されるのは、「生活言語能力」ではなく、「学習言語能力」だと言われています。

 

 

生活言語能力(BICS・ビックス)と学習言語能力(CLAP・カルプ)

カミンズは言語能力をさらに2つに分類する概念も主張しました。

生活言語能力(Basic Interpersonal Communicative Skills)学習言語能力(Cognitive Academic Language Proficiency)です。

 

生活言語能力

日常生活をこなすレベルで必要となる言語能力です。普段の生活で具体的な事物と関連して習得していきます。対人関係におけるコミュニケーション力のことです。

状況などの非言語情報が豊富にあるため、比較的早く身に付けることができます。認知的な負担も少ないです。一般的には2年で習得できると言われています。



学習言語能力

学校で抽象的な思考や・概念的な学習によって習得します。教科学習に必要な認知・分析・統合・評価などといった高度な思考技能が必要とされる言語能力です。文脈の支えがない学習場面で必要になるため、認知的な負担も大きくなります。習得には、5年~7年以上はかかると言われています。

 

 

敷居理論

敷居理論は敷居仮説とも呼ばれていています。これもカミンズが提唱したもので、バイリンガリズムの程度と認知との関係をまとめた理論です。

二言語それぞれの言語習熟度と認知能力との関係を表しています。

 

バイリンガルの習熟度での分類には「均衡バイリンガル」「偏重バイリンガル」「限定的バイリンガル」がありました。

この3つを各階との間に敷居を設けた3階建ての家で示しています。

 

バイリンガルについてはこちら。

nihongo-tiengnhat.watashinoarukikata-diary.com

 

 

 1階・限定的バイリンガル(ダブル・リミテッド・バイリンガル

二言語ともに年齢相応のレベルに達していないタイプです。

1階にいるときは、バイリンガルであることが認知能力にマイナスの影響を与えると考えられています。

それが第一の敷居を超えて2階に上がると・・・

 

 2階・偏重バイリン(ドミナントバイリンガル

一言語のみ年齢相応のレベルに達しているタイプです。

1階から2階に上がると認知能力に与える影響はモノリンガル(一言語話者)と同じになります。ここではバイリンガルであることが認知能力に対してプラスにもマイナスにも影響しないと考えられています。

そして第二の敷居を超えて3階に上がると・・・

 

 3階・均衡バイリンガル(バランス・バイリンガル

二言語とも年齢相応のレベルに達しているタイプです。

2階から3階に上がると、均衡バイリンガルになり、バイリンガルであることが認知的にプラスに働くと考えられています。

 

 

発達相互依存仮説

カミンズは、共有基底言語能力モデルの考え方を基に、2つの言語の習得の関係を取り上げ、「発達相互依存仮説」を提唱しました。

これは第一言語やそれに伴う認知力が発達しているほど第二言語も発達しやすく、第一言語の発達が低い段階だと第二言語の認知力の発達も難しくなるという考えです。要するに、第二言語習得は、第一言語の発達度合いに依存しているというわけです。

カミンズは、バイリンガルには1つの言語で習得した認知的な内容を第二言語での活動にも使える可能性があると主張しています。

複数の言語を獲得するとき、口から出るのは異なる言語だけれども、頭の中では共通する部分があり、第一言語で習得したことが第二言語に転移し、その逆もありえると考えました。

 

 

 

過去問・「氷山説」「生活言語能力・学習言語能力」について出題されたもの

 

平成28-Ⅰ問題10-問4

氷山説についての問題です。

二言語基底共有説によると、母語第二言語の言語能力は主に学習言語能力を共有すると考えられています。

したがって正解は、3番

 

平成29-Ⅲ問題15-問2

「BICSとCALP」についての問題です。

正解は、4番

BICSは文脈への依存度が高く、認知的負担が小さいく、CALPは文脈への依存が低く、認知的負担が高いです。

 

令和1-Ⅲ問題11-問1

「BICSとCALP」についての問題です。

1番👉生活言語能力も学習言語能力も、母語で培った認知能力は発達に役立ちます。

2番👉生活言語能力も学習言語能力もコミュニケーションを通して発達します。

3番👉学習言語能力は生活言語能力よりも場面に依存しません。

4番👉生活言語能力は学習言語能力より習得に時間がかかりません。

したがって正解は、2番

 

令和2-Ⅰ問題9-問4

学習言語能力の説明として適切なものは?

正解は、4番。学習言語能力は生活言語能力に比べ、場面に依存しないため(場面依存度が低い)認知的な負担も高くなります。

 

令和2-Ⅰ問題9-問5

二言語基底共有説とは?

1番👉数学等の概念的知識・・これは学習言語能力のことです。この言語能力は二言語間で転移します。

2番👉基本的な対話能力を2年で習得・・・生活言語能力のことです。

3番👉二言語を同等に・・ではなく、第二言語を発達させるためには母語による認知力の発達が必須・・・であれば、発達相互依存説の説明です。

4番👉頭の中の限られたスペースで共存・・・風船説の説明です。

したがって正解は、1番

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

神奈川県・「江の島」

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昨日の友人とのやり取りで懐かしくなった江の島です。

20代から30代は神奈川県大和市に住んでいました。10年くらいかな?

小田急江ノ島線に乗れば、江の島まではすぐ。

ボディボードに夢中になっていたときは、しょっちゅう手前の鵠沼海岸まで通っていました。

そして仲良しの友人とは浜飲みも。これが最高に楽しい時間でした。。。懐かしい~。

 

 

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本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月