【言語一般】言語の構造・意味体系『プロトタイプ』『意味の拡張』と比喩『メタファー・メトニミー・シネクドキ―』

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Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  📚

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!

 

 

今日も朝から爽やかな青空が広がっている沖縄地方です。さっき朝いちでレンタサイクルを借りてきました。

今日はこのあとまた糸満市の海へサイクリング🚴

 

先日は「類義語」「対義語」「多義語」について勉強しました。

多義語とは一つの語が複数の意味を持つものでした。

その複数持つ意味の中でも中心となる基本的な意味があり、そこからさまざまな意味へ拡張していくわけなんですが、今日はもう少しこの観点から「意味体系」を考えていきたいと思います。

 

 

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認知意味論とは

認知言語学とは、人間の認知活動の一部としての言語を通して、人間と文化の本質を研究する言語学の一分野です。主に意味を扱うので「認知意味論」とも呼ばれています。

認知言語学は、1970年代に、カリフォルニア大学のレイコフらによって提唱されました。

生成言語学が無視した「メタファー」や「レトリック」(修辞法)などの言語現象を、認知心理学の「プロトタイプ理論」によって読み解き、更にその言語現象が生成文法のようなメカニズムに起因するのではなく、人間の現象学的・民族的な身体感覚に起因するものとして体系的な記述を試みました。

人間心理や身体・空間感覚に即した言語観現代思想的特色がみられるのが特徴です。

例えば、「財布の口」「目玉焼き」「机の脚」とういうに身体部位を用いた表現は日常にとても多くみられます。

また、「話が見えない」「要点がつかめない」という表現のように、人間の一般的な特性である「分かる」ということは、「目に見える・手にとれる」ことであるという、身体を基盤とした比喩的な思考が背後にあると考えられます。

 

このような認知意味論の考え方をもう少し詳しく見ていきます。

 

 

プロトタイプ理論とカテゴリー

プロトタイプ理論とは、ロッシュらによって1970年代に提唱された認知言語学の基本的な理論のひとつです。

伝統的な意味論での成分分析は、語の意味を構成するには単純に+/-の2文式で明確に分解できるというものでした。

こうした古典的なカテゴリー観では、カテゴリーの境界は明確に区別できるものとしていましたが、認知意味論では、プロトタイプを中心としたカテゴリー観を提案しています。

これは、カテゴリーの境界は明確なものではなく、そのカテゴリーの代表手的な事例を中心として段階的にその特性が薄れ、他のカテゴリーと繋がっているという見方です。

 

成分分析についてはこちら。

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プロトタイプ

プロトタイプとは、「原型」を意味する言葉です。

例えば「鳥」という語から想起されるのは、日常よく目にする、ハトやスズメやカラスなどの空を飛ぶ動物だと思います。「鳥」というカテゴリー(範疇)ではこれらの鳥がより中心的な典型例として「プロトタイプ」と呼ばれます。

一方で、飛ぶことができない、ニワトリやペンギンもいます。また水と関係が深い、カモ・白鳥・鶴など・・・これらも「鳥」のカテゴリーに含まれます。このような鳥らしくない周辺的な例を周辺的成員と呼びます。

あるカテゴリー(範疇)ではプロトタイプを中心にした内部構造を持ち、プロトタイプを中心とした円を描くことができ、その周辺にいくにしたがってそのものらしさ(成員らしさ、帰属性)が薄れていくというわけです。

このような鳥らしさの濃い成員から薄い成員まで、段階性を持ったカテゴリーを形成する認知作用をプロトタイプ効果と言います。

プロトタイプか否かの判断には、日常での頻度や、そのカテゴリーの代表的な特徴を持っているか否かなどが関わってきます。つまり、ある言語共同体で共有されている意味構造の典型になるものになるわけです。

このようなプロトタイプ的カテゴリーの考え方は言語学上の概念にも適用されます。

名詞や動詞といった品詞も、境界は明確ではなく、それぞれ典型的なメンバーと、非典型的・周辺的なメンバーを持つということです。

例えば、動詞の「切る」は本来何かを切断することを表しますが、「関係を切る」は人との関係を絶つことで、「カードを切る」はカードを混ぜることを表しています。こういった基本動詞は多義性が高いものが多いのも特徴です。

 

 

比喩による意味の拡張

更にカテゴリーには拡張が認められます。カテゴリーの拡張とは、既存のカテゴリーを転用して、新たなカテゴリーを作り出すことです。

「晴れ」と「曇り」には、「晴れやかな顔」や「表情が曇る」などの表現があり、「天気」のカテゴリーを超えて、人間の心情や表情を表す意味として拡張して用いられています。これは比喩的拡張によるものです。

認知意味論的には、こうしたカテゴリーの拡張が、意味の拡張であると考えられています。

このような意味の拡張を起こす「比喩」にはさまざまな種類がります。

 

 

比喩(ひゆ)

意味の拡張を引き起こすものの一つに「比喩」があります。

比喩には、「メタファー(隠喩)」「メトニミー(換喩)」「シネクドキ―(提喩)」などがあります。

 

メタファー(隠喩)

メタファーとは、物事のある側面から連想した類似性に基づく、具体的で分かりやすいもので、抽象的で分かりにくいものを表します。

※「~のようだ」は用いません。この表現は直喩(シミリー)になります。

例:パソコンが凍る。

具体的な水が凍って動かなくなる様子を使って、パソコンが動かなくなっている、反応しない様子を表しています。

 :彼女は僕の太陽だ。

具体的な太陽という言葉を使って、彼女は僕にとって太陽のように明るく照らしてくれる存在だということを表しています。

太陽・・・生き物に無くてはならない存在ですね!それだけ必要不可欠な存在ってことを表しています。

 

メトニミー(換喩)

メトニミーとは、「あるもの」を「隣接関係にある他のもの」で示すことです。さまざまな概念の隣接性に基づいて表します。

この隣接関係というのが・・・次に紹介するシネクドキ―の包摂関係と少し混乱します(^^;

例:昨日の夜は鍋を食べた。(昨日の夜は鍋の中身を食べた)

 :洗濯機を回す。(洗濯機の中の洗濯槽を回す)

 :漱石を読む。(漱石の書いた本を読む)

 :永田町は日本の政治の中心だ。(永田町にある国会は日本の政治の中心だ)

上記のように、鍋を食べたわけではなく鍋の中身を食べたという意味を表します。このようにメトニミーには、目につきやすいものを言うことで煩雑な表現を避け、端的で経済的に表すという効果もあります。

 

シネクドキ―(提喩)

シネクドキーとは、包摂関係に基づいて、上位概念で下位概念を指したり、下位概念で上位概念を指したりするものです。

例:花見に行く。

(「花」という上位概念で「桜」という下位概念を表しています。日本で花見と言えば桜を見にいくことです)

 :お茶しに行こう。

(「お茶」という下位概念で「飲み物」という上位概念を表しています。「お茶しに行こう」と言えば、カフェに行ってコーヒーやフラペチーノを飲むこともあります)

 

 

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比喩表現は日常生活で知らず知らずのうちに沢山使っている気がします。

比喩を用いることで、表現も豊かになって、相手に伝えたいことがより的確に伝えることができる効果もありますね。

 

 

 

過去問・「プロトタイプ」「意味拡張」「メタファー」「メトニミー」「シネクドキー」について出題されたもの

 

平成28-Ⅲ問題3-問1

意味拡張の問題です。

「筆を執る」というのは「文章を書く」という意味での比喩メトニミーの表現です。これと同じ意味拡張の例はどれでしょう?

1番👉「愛情を注ぐ」は与える、あげるという類似性のメタファー。

2番👉「問題を抱えている」は持つという類似性のメタファー。

3番👉「音量を上げる」は高くするという類似性のメタファー。

4番👉「耳を傾ける」は「身体ごと相手に耳を傾ける」という隣接関係のメトニミー。

したがって正解は、4番

 

平成29-Ⅲ問題2-問1

意味拡張の問題です。

「花見に行く」と同じ意味拡張の例はどれ?「花」は上位概念で「桜」という下位概念を表すシネクドキーです。

1番👉「パトカーに捕まる」は警察との隣接関係のメトニミー。

2番👉「明日も天気になれば・・」は天気という上位概念で晴れという下位概念を表わすシネクドキー。

3番👉「背中を流して・・・」は汚れとの隣接関係のメトニミー。

4番👉「医者の卵」医者になりたての人と生まれたての卵の類似性、メタファー。

したがって正解は、2番

 

平成30-Ⅰ問題1-(13)

比喩についての問題です。仲間外れはどれ?

1番👉「我が社には追い風だ」はメタファー。(追い風とは後ろからの風のことですが、会社を有利な方へ後ろから後押ししてくれているという意味を表しています)

2番👉「漱石は難しい」はメトニミー。(難しいのは漱石の書いた本)

3番👉「洗濯機を回す」はメトニミー。(回すのは中の洗濯槽)

4番👉「黒板を消す」はメトニミー。(消すのは黒板の文字)

5番👉「永田町」はメトニミー。(永田町にある国会やそこの政治家)

したがって正解は、1番

 

令和1-Ⅰ問題9-問1

プロトタイプについての問題です。

「落とす」がプロトタイプ的な意味で使われているのはどれ?

まず落とすという動詞の典型的な意味は・・・上から下へ何かを落とすことでしょうか。

1番👉汚れを落とすはプロトタイプ的ではありません。

2番👉信用を落とす・・・これもプロトタイプ的ではない。

3番👉屋根の雪を落とす・・・これはプロトタイプ的!

4番👉試験順位を落とす・・・これもプロトタイプ的ではないです。

したがって正解は、3番

 

令和2-Ⅰ問題10-問4

メトニミーについての問題です。同じ例はどれ?

1番👉「ジョッキを飲み干す」はメトニミー。(飲むのはジョッキの中のビール)

2番👉「花見に行こう」はシネクドキー。(上位下位概念)

3番👉「約束を破った」はメタファー。(約束を守らなかったという意味との類似性)

4番👉「パンの耳」はメタファー。(顔の外側についている耳との類似性)

したがって正解は、1番

正解はすぐに1番と分かったけど・・・4番がどの比喩カテゴリー??と悩んでしまいました。パンの耳・・・この表現よく使ってますよね~🍞

 

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

岩手産の野菜でラタトゥイユ

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数日前に実家の岩手から野菜が届きました。

父は数年前からかなり本格的に家庭菜園をやっているんですよね。

トマト・ナス・ピーマン・玉ねぎ・かぼちゃ・じゃがいも・紫蘇・茗荷・インゲン豆。。。色んな野菜が入っていました🍅 うれしい!

さっそくラタトゥイユを作ってみました。沖縄産の青パパイヤも入れて♪ 岩手と沖縄のコラボです。

野菜の味が濃い~~。味付けは塩のみで十分。野菜の甘みが際立って最高です。

こうやって離れて暮らしていても、、、気にかけてくれる父に感謝です。

 

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本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月