【言語と教育】言語教育・外国語教授法②『ナチュラル・アプローチ』『コミュニカティブ・アプローチ』『タスク中心の指導法』『内容言語統合型学習(CLIL)』

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Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng chùng mình cùng cố gắng học tiếng Nhật nào!!  📚

今日も日本語の勉強を頑張りましょう!

 

 

朝の空気に秋を感じるようになってきた沖縄地方です。

まだまだ日中はジリジリ射すすような日差しですが、朝は少しひんやりとした空気になってきました。

もうすぐで10月ですもんね(笑)

 

さて今日も昨日に引き続き、外国語教授法の勉強~第二段です!

 

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1970年代~コミュニケーションにつながる教授法

これまでのオーディオ・リンガル・メソッドのような文法や文型などの言語形式FonFs(フォーカス・オン・フォームズ)の教授法は、意味の習得が不足してしまい、コミュニケーション能力が育たないという批判から衰退していきます。

その後、コミュニカティブ・アプローチやナチュラル・アプローチなどの意味の伝達を重視したFonM(フォーカス・オン・ミーニング)の、コミュニケーションに繋がる新たな教授法が多く提唱されました。

 

 

ナチュラル・アプローチ

ナチュラル・アプローチは、1980年代初頭に、母語習得の過程を観察し実践を重ねたテレルによって提唱された教授法です。クラッシェンが第二言語習得仮説により裏付けました。

幼児の母語習得過程を参考にした聴解優先の教授法です。

自然に身に付ける「習得」と意識的に身に付ける「学習」を分け、実践的な伝達能力には「習得」が大切だと主張しました。

学習者不要な緊張を強いず、リラックスした状況を保つため、初期は聴解優先で自然に話し出すまで発話は強制せず、誤りがあっても不安を抱かせないために直接訂正をしないという特徴があります。

初期はインプットを十分に行い、容易に回答できるごく簡単な応答練習を行うことから始め、発話活動を無理なく広げていきます。

過度の緊張がなく、自然な状況で言葉を身に付けることが期待できますが、一方で、教師の発話量が多くなるため、学習者によっては発話の練習が進まない可能性があります。

 

 

基礎理論としたクラッシェンのモニター・モデル。

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コミュニカティブ・アプローチ

コミュニカティブ・アプローチは、1970年代に言語学者である、ウィルキンズらによって提唱され、言語教育は現実的な場面を想定した会話の中で行われるべきという考え方から開発された教授法です。

機能言語学者ハリデーの言語機能理論や、社会言語学者ハイムズコミュニカティブ・コンピテンスが基礎理論の基盤となっています。言語習得には言語形式に関わる知識だけではなく、言語をどのように使うか、「何を話すか」よりも「どう話すか」という伝達能力や言語運用能力を身に付けることが重要としています。

実際に日常生活においてコミュニケーションが行えることを目的とし、会話練習を中心としたタスク練習、ロールプレイ、ディベートなどが授業で行われます。

授業は学習者のニーズに合わせて学習者を中心に学習を進めます。教室活動では概念・機能シラバスを用いた実際のコミュニケーションに近い状況で活動を行い、その活動を通して文法や単語を身に付けていくことを目標とします。

また、インフォメーション・ギャップ(情報格差チョイス(選択権)フィードバック(反応)の3つの要素がコミュニケーションの本質であるとし、これらの要素を盛り込んだ、ロールプレイ、タスク、プロジェクト・ワークなどの活動を行うのが特徴です。

現実のコミュニケーションに応用しやすいという利点もあるものの、言語知識の体系的な学習がしにくく、意志疎通ができれば多少の誤りがあってもよしとするため、正確さが向上しない恐れがあります。

 

インフォメーションギャップ(情報格差

インフォメーションギャップとは、情報格差のことです。

学習者がペアまたはグループになって活動し、お互いに情報の格差があるため、その情報差を埋めるために意味交渉を行い、学習者のやりとしを促進させるのが目的です。

ロールプレイもよくある活動のひとつで、店員が先生、お客が学習者というように役割を与えて、ある場面を設定して会話活動を行うことでコミュニケーションの練習に役立ちます。

 

チョイス(選択権)

チョイスとは、学習者が与えられたタスクを実行する際に、どのような表現を用いるか、何を問うか、どう振る舞うかなどを選択できる自由のことです。

 

フィードバック(反応)

フィードバックとは、言語活動の際の相手の反応のことです。

実際のコミュニケーションにおいて、相手からの反応も重要なコミュニケーションの要素のひとつです。

 

 

 

1990年代~「言語形式」と「意味理解」ともに重視した教授法

FonMの教授法では、コミュニケーション能力は身に付くようになったけれども、今度は言語形式が十分に習得できないという問題がでてきました。

そこで、FonMの欠点である言語形式の問題を解決するため、基本的には意味伝達を重視するコミュニケーションをメインに活動を行いつつ、必要であれば言語形式も指導するFonF(フォーカス・オン・フォーム)が注目を浴びるようになってきました。

FonFsでは身に付かないコミュニケーション能力と、FonMでは疎かになる言語形式、これらをお互いに補うために開発された教授法が登場してきます。

 

 

タスク中心の教授法

形式重視のオーディオ・リンガル・メソッドと、意味重視のコミュニカティブ・アプローチはお互いの長所がお互いの短所となっています。そこでお互いの長所を組み合わせ、短所をうべく開発されたのが、タスク中心教授法です。

「言語は目的をもって使われる」というロングフォーカス・オン・フォームに基づく理論を基盤とします。

学習者は実際の社会活動に繋がる経験をするために、実生活に必要なタスクの中で実際に使われる言葉を使うことによって自然なコミュニケーション能力を身に付けていきます。インフォメーションギャップによって参加者がそれぞれ持つ情報をお互いに引き出すタスクや、グループで現実的な問題の解決策を話し合う活動などがあります。

学習者にタスクを課して、目標は課題遂行能力を高めることです。

流暢さと正確さの両面を扱える利点と、反対に言語を体系的に学習しにくいという欠点もあります。

 

ロングについてはこちら。

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内容言語統合型学習(CLIL:Content and Language Intergrated Learning)

1990年代頃からヨーロッパでは国境を越えた複言語主義といった考え方が強まってきました。その背景を元に生まれたのが内容言語統合型学習です。

母語で教科を学ぶことで、社会問題などの「内容」の学習を通して、言語も学び、そして思考力を高めるということを目的としています。

基本的には目標言語だけで授業は進められますが、学習者が困っている場合は媒介語を使用して支援します。

教科内容・語学力・思考力・協働学習の4つの要素をバランスよく育成できると考えられた教授法です。

4つの要素

・Content(科目)

・Communication(言語スキル)

・Cognition(思考力)

・Community(協働学習)・Culture(異文化理解)

 

また、似た教授法として「CBI:Content-Based Instruction」と呼ばれるものもあります。言語学習そのものが目的ではなく、内容の学習のために言語を手段として使用する、という点では非常に似ているようです。

違いは、生まれた背景にあり、CBIはアメリカで形成されたもので、母語話者でない人に対する英語教育や、イマージョン教育の広がりが背景にあるようです。

 

 

教授法の分類

 

フォーカス・オン・フォームズ(FonFs)・形式重視

FonFsとは、コミュニケーションや意味理解は軽視され、とくに文法を中心とした言語の形式面に重点を置いたものです。

教師が中心となり、学習者に文法規則等を最初から明示的に教え込む方法をとり、機械的なのが特徴です。

代表的な教授法に「文法訳読法」「オーディオ・リンガル・メソッド」などがあります。

 

フォーカス・オン・ミーニング(FonM)・意味重視

FonMとは、言語の意味を重視した教授法のことです。

学習者が中心となって、コミュニケーション重視の活動を行い、意味の理解ややり取りに意識を向けさせます。

コミュニケーションを能力は身に付くが、文法的な正確さが身に付かないとされています。

代表的な教授法はに、「コミュニカティブ・アプローチ」「ナチュラル・アプローチ」等があります。

 

フォーカス・オン・フォーム(FonF)・言語形式と意味を重視

FonFとは、FonFsとFonMの欠点を補い考案された教授法です。

学習者中心のコミュニケーション重視の言語活動の中で、必要があれば教師が介入し、プロンプトやリキャストでフィードバックを行うことによって、学習者の注意を文法や文型などの言語形式にも向けさせます。(言語形式の焦点化)

FonFsのような文法説明をせず、最終的には学習者の気づきによって文法知識の習得を促します。

代表的な教授法に、「タスク中心の教授法」「内容言語統合型学習」等があります。

 

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過去問・「外国語教授法」について出題されたもの

 

平成27-Ⅰ問題4-問5

ウィルキンズによって提唱された、コミュニカティブ・アプローチで取り入れられているシラバスの項目例として適当なものはどれ?

1番👉「レストラン」「郵便局」・・・場面シラバス

2番👉「広告を読む」「メニューを読む」・・・技能シラバスの「読み」。

3番👉「誘う」「依頼する」・・・機能シラバス

4番👉「趣味」「家族」・・・話題シラバス

したがって正解は、3番

教室活動では概念・機能シラバスを用いた実際のコミュニケーションに近い状況で活動を行います。

 

平成28-Ⅰ問題4-問1

コミュニカティブ・アプローチの背景となる考え方はどれ?

正解は、4番

コミュニカティブ・アプローチはコミュニケーション能力を高めるために、現実に近い会話活動を行います。そこで意味交渉が生じることによって言語習得が促進されます。

 

平成28-Ⅰ問題4-問2

コミュニカティブ・アプローチでの指導にあたって、言語活動を行う際に必要とされる条件があります。当てはまらないのはどれ?

1番👉対話の相手からの否定証拠・・・誤った文法表現を与えられることは必要ないです。

2番👉発話者に情報の選択権があることは必要条件です。

3番👉情報の格差は必要条件です。

4番👉やり取りに真正性・・・日常生活に近い現実味がある活動であることは必要条件です。

したがって正解は、1番

 

平成28-Ⅰ問題4-問3

タスク中心の教授法についての問題です。学習活動として不適当なものはどれ?

正解は、4番

タスク中心の教授法では、言語は目的を持って使われるものとして、実際の言語活動に近い設定でタスクを通してコミュニケーション能力を学びます。4番以外はその条件を満たしていますが、4番は・・・パターン・プラクティス・・・これはオーディオ・リンガル・メソッドの手法で習慣形成を促すことを目的としています。

 

平成28-Ⅰ問題4-問5

内容言語統合型学習についての問題です。正しい記述はどれ?

正解は、2番

教科内容を通じて、「教科内容」「言語力」「思考力」「協働学習」をバランスよく身に付けます!

1番の選択肢が、ちょっと惑わされましたが・・・目指すのはこの4要素習得です。

 

平成29-Ⅲ問題5-問1

プロジェクトワークにおいて、タスクを設定する際の留意点とは?

正解は、4番

タスク中心の教授法では、実生活に必要なタスク・コミュニケーションに近い場面設定で学習を行うことによってコミュニケーション能力を自然に習得していきます。したがって、学習者にとって現実の生活や興味に関連のあるものを設定する必要があります。

 

令和1-Ⅲ問題8-問1

内容言語統合型学習の指導についての問題です。正しい記述はどれ?

1番👉目標言語を基本的には使用しますが、場合よっては媒介語や母語も使用できます。

2番👉意味を重視しますが、フォーカス・オンフォームの教授法なので、必要であれば言語構造も指導します。

3番👉内容の理解や協働学習も目的であるため、学習者が活動に必要な言葉が言えないときは、教師が支援します。

4番👉学習者が表現を間違えても、教師はその都度細かく訂正するようなFonFsの指導はしません。

したがって正解は、3番

 

令和2-Ⅰ問題4-問3

コミュニカティブ・アプローチに関する問題です。コミュニカティブ・アプローチとは?

正解は、1番

言語の機能や意味を重視するのはコミュニカティブ・アプローチ!それ以外の選択肢は直接法などのダイレクト系メソッドやオーディオ・リンガル・メソッドです。

 

令和2-Ⅰ問題4-問4

ナチュラル・アプローチに基づいた授業とは?

1番👉言語形式の学習と構造シラバス・・・これはオーディオ・リンガル・メソッド。

2番👉実生活で使う身近な素材も取り入れるのは、ナチュラル・アプローチに適してそう。

3番👉初期段階から学習者に発話を促すのは・・オーディオ・リンガル・メソッドや直接法でしょうか。ナチュラル・アプローチでは緊張を強いるような、発話は促しません。

4番👉幼児の母語習得過程を参考にしてる教授法なので、初級に向いています。

したがって正解は、2番

 

令和2-Ⅰ問題4-問5

タスク中心の教授法の活動として適当なものはどれ?

正解は、1番

タスク中心の教授法は、実際の生活で必要となるタスクを通してコミュニケーション能力を養うものです。

無人島生活・・・という設定が実際の生活に必要か?という点は置いておいて、、無人島で必要なリストを話し合うというのは良いと思います。

 

 

 

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

 

 

沖縄那覇・市場中央通りアーケード

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沖縄のシンボル的存在である「第一牧志公設市場」。2019年に老朽化のため、建替工事に入っています。現在もまだまだ工事中です。

それにあわせて、長い歴史をもつ周囲のアーケードが撤去されました。

2022年の牧志公設市場再オープンにあわせて、アーケードも復活する予定らしいです!

この辺りはとても東南アジアの空気を感じられるところで大好きなんですよね。

いつまでも残ってくれるといいです。

 

現在の牧志公設市場の工事の様子です。

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本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年9月