【言語と心理】第二言語習得・『言語転移・誤用・誤用分析・中間言語』

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Chào buổi sáng mọi người! はいさい🌺ソムタム娘です。

Hôm nay cũng đẹp trời quá nhỉ. 🌞 今日もとてもいい天気ですね。

 

 

今日仕事に行ったら明日は休みです♪休日前は毎度ルンルン気分になります(笑)

最近の休日は海に行くか日本語を勉強するかっていう2パターンしかないのですが、皆さんは趣味とかありますか?

そういえば沖縄に来てからまったくモノを買わなくなりました。沖縄に来る前は関東に住んでたんですが、今よりは物欲?があったと思います。なのでアパート引き払うとき大変でした(笑)今は身軽でいられるこんな生活が気に入っています。

 

今日は学習者が第二言語を学習する中で、避けては通れない「誤用」について勉強してきます。第二言語を学習する上でこの分野もとても深いなぁと思いました。

自分が勉強してきた英語でも身に覚えがあるような?という内容が多々ありました(^^;
日本語を母語とするがゆえに英語の文法がなんだか馴染めないっていうのあると思いますよね?

 

 

 

言語転移

第二言語を学習する過程で、第一言語である母語が影響することを指します。

言語転移には「正の転移」「負の転移」の二種類があります。

この言語転移について、言語間の同時期における任意の二つ以上の言語を比較して、両者の相違点と類似点をを明らかにするための「対照分析」というものも行われるようになりました。

 

正の転移(母語の干渉)

第二言語を学ぶ際に、第一言語がいい影響を与えることです。それぞれの言語の文法に共通点などが多いと、第二言語が理解しやすく習得が促進されます。

 

例:韓国語話者の場合、助詞が容易に理解できます。

 :中国語話者の場合、漢字が意味の理解を手助けします。

 

 

負の転移

第一言語としての母語第二言語に影響し、習得を妨げることです。

第二言語の中に、学習者の母語にない音は近い発音に置き換えられてしまうことも多いです。また、学習者の母語にない発音は区別がつきにくいです。

 

例:「ツ」の発音が「チュ」になってしまうのは、韓国語話者、インドネシア語話者、タイ語話者、ベトナム語話者などに多いです。

 :「ツ」の発音が「ス」になってしまうのは、英語話者、韓国語話者、タイ語話者、トルコ語話者などに多いです。

(これは[ts]が緩んで[t]が脱落し、[s]になっていることが問題として考えられます。)

 

タイ人が「一緒」(いっしょ)が言えなくて「いっちょ」になってしまうのも聞いたことがあります。

 

 

対照分析~誤用分析~中間言語分析

対照分析

「対照分析」とは、二つ以上の言語の共時的な比較対照を通して、学習者の言語習得状況を観察、分析する中で、言語間の違いを明らかにするものです。

学習者の誤用のほとんどは母語の干渉」のため、母語と学習言語の違いを明らかにし、誤用を予測することで誤用は防げると考えられました。

 

誤用分析

しかし学習者の母語の違いに関係なく共通した誤用も系統的に、頻繁に起こっていることが分かり、実際に学習者が犯した誤りを集めて、類別・分析してその誤用そのものの原因を研究する「誤用分析」というものが重要視されるようになりました。

この誤用分析により誤用の原因が解明される中で、学習者の中間的言語体系(中間言語)の存在も注目されはじめました。誤用分析により誤用の原因が解明される中で、少しずつ言語習得のメカニズムが明らかになてきたのです。

 

中間言語分析

ただし、系統的誤用は中間言語という学習者の言語の一部に過ぎないことから、誤用分析は中間言語の一部しか明らかに出来ないという批判が生まれるようになり・・・

学習者の誤用と正用、そしてそのバリエーション、さらにコミュニケーションにおける学習者の言語行動、ストラテジーの発達などの「学習者言語総体」中間言語分析」の対象として研究されるようになってきました。

 

対照分析仮説

上記の対照分析の研究によって、母語と目標言語の言語間の違いを明らかにすることで、学習の何度や誤りを予測することができるという仮説です。

言語間に類似点が多ければ学習は容易になけれども、相違点が多いと困難になるという考えです。

 

 

 

「ミステイク」と「エラー」

第二言語学習者の誤用は、大きく二つに分けられます。

母語話者にも起きる、単なる言い間違いの「ミステイク」と、文法ルールを誤って使用する「エラー」(ローカルエラー・グローバルエラー)です。

 

 

ミステイク

母語話者でも起こりうる、うっかりミスに当たります。文法やルールは理解出来ていても、緊張していたり不注意による単なる言い間違いです。もちろん自ら間違いを修正することも可能です。

 

エラー「ローカル・エラー」と「グローバル・エラー」

ミステイクとは異なり、文法やルールを理解できてなかったり、誤って覚えていることによる間違いです。そのため繰り返し起こりやすいです。

エラーはさらに二つに分けられます。

①ローカル・エラー

コミュニケーションに影響のないエラーです。文法に誤りがあっても意味上は問題なく伝わります。

例:私の妹大学生です。 私は漢字が読めるじゃないです

 

②グローバル・エラー

コミュニケーションに影響があるエラーです。文法の誤りにより意味が変わってきます。

例:「私友達財布を学校で見つけました。」と言いたいのを、「私友達財布を学校で見つけました。」と間違える。

 

また、エラーの原因がどこにあるかによって「言語間エラー」「言語内エラー」の二つに区別することが出来ます。

 

 

「言語間エラー」と「言語内エラー」

エラーはさらに分けると、母語の干渉による間違いで起こる「言語間エラー」と、母語とは関係のない学習過程の途中で起こる「言語内エラー」があります。

 

言語間エラー

母語第二言語の言語間の違いから生じる誤用です。

例:私は古い人に優しくします。(英語話者)

英語では、「old」と「young」との対立があるため、日本語のお年寄りを「古い」と表現してしまった誤用です。またこんなのも・・・

例:私はコーヒーを持ちたいです。(英語話者)

英語で「I want to have a cup of coffee」(私はコーヒーを頂きたいです)という表現の「have」を日本語で「持つ」と訳してしまった誤用です。

タイ語話者やベトナム語話者の誤用も・・・何かいい例があったら教えて欲しいです!

 

 

言語内エラー

母語の干渉とは関係なく、学習過程で生じる発達途上の誤用です。

「過剰般化(過剰一般化)」「簡略化」があります。

 

①過剰般化

第二言語で習得した、ある規則を過剰に適用したことで生じる誤用です。

例:私はソムタムが好きくない。(私はソムタムが好きじゃない。)

ナ形容詞にイ形容詞の否定形を適用した誤用です。

例:あそこにきれいの花が咲いている。(あそこにきれいな花が咲いている。)

ナ形容詞に名詞と名詞を接続する「の」を適用した誤用です。

 

②簡略化

複雑な言語規則を簡単にしようとして生じる誤用です。

例:私 妹 ケーキ 食べた。

助詞を省くことによって、「私が妹のケーキを食べた」のか「私の妹がケーキを食べたのか」どちらの意味にも受け取れてしまいます。簡略化によってグローバル・エラーが生じます。

確かにタイに住んでいたとき、タイの方が助詞を省く日本語を話すのをよく聞いた気がします。母語に助詞という概念がない学習者にとってはかなり複雑な文法ですよね。

 

 

語用論的転移(プラグマティック・トランスファー

語用論的転移とは、文法的に誤りではないものの、母語の言語ルールを適用してしまったことによる不適切な表現を指します。

学習者が第二言語の語用論知識が無く、母語の使い方を第二言語でも適用してしまうことが原因で起こります。

例:あなたは私と昼ごはん食べたいですか?(一緒に昼ごはん食べませんか?)

この表現は本来「一緒に昼ごはん食べませんか?」と言いたかった英語話者が、英語での表現「Would you like to have lunch with me?」を直訳してしまったものです。

確かに文法は正しいけれど・・・日本人からすると違和感がありますね(^^;

伝えたい内容は同じでも、言語によって表現の仕方が異なるってことですね。

 

 

中間言語

中間言語とは、学習者が第二言語を学習する過程で学習者により作り出される、母語でも目標言語でもない、第三の言語体系のことです。アメリカの言語学者であるラリー・セリンカー(1937~)が主張した概念です。

学習者は目標言語に向かって、間違えながら言語を習得していきます。不完全でありながらもその誤りは規則性(過剰般化など)を持ち、一連の段階を経て目標言語に向かって変化していくと考えられています。

目標言語に向かって変化する過程におけるある特定の時点での、その学習者独自の言語体系が中間言語に当たります。また、学習者が母語話者レベルに近づいていくと消滅していきます。このように徐々に近づいていく中間言語の性質を可変性と言います。

 

 

化石化・逆行(バックスライディング)

その他にも、学習者が第二言語を学ぶ上での誤用に関する概念があります。

 

化石化

学習過程で習得した規則や項目の一部が不完全なまま発達が止まってしまい、ある種の誤りが定着してしまった現象です。同じ誤りを繰り返し、固定化した状態になります。

 

逆行(バックスライディング)

誤用が改善された後も、不安や緊張などによって再び間違えてしまうことです。これは理解している知識なのでエラーではなくミステイクに当たります。

 

回避

学習者は間違えそうな文法や表現は使わないようにします。この場合「誤用」が表面に現れることはなく認識されにくいです。このように学習者が自信がないことから曖昧な表現を避ける方略を「回避」と言います。

 

誤用には表面上に出て認識できるものもあれば、回避によって誤用として認識できないパターンもあるんですね。。

 

 

 

過去問・「言語転移」「誤用」「誤用分析」「中間言語」「語用論的転移」について出題されたもの

 

平成28-Ⅲ問題10-問1

ミステイクとエラーいついての問題です。

正解は、4番。上に書いた通りです。ミステイクはうっかりミスによる失敗、エラーはルールや文法が理解できていない言語能力の欠如によるものです。

 

平成28-Ⅲ問題10-問2

学習者の誤用のひとつ、過剰般化とは?

正解は、3番。ナ形容詞の否定形「~じゃありません」をイ形容詞にも適用してしまった誤用です。

 

平成28-Ⅲ問題10-問5

中間言語分析とは?

正解は、3番。誤用分析のように学習者の誤用だにけ注目するのではなく、学習者の正用と誤用両方を含めて研究対象としているのが中間言語分析です。

 

平成28-Ⅲ問題11-問3

英語母語話者が母語を直訳してしまったことによる語用論的転移とは?

正解は、2番。上に書いたとおり、英語話者は誘う場面で、「whould you like to~」を直訳してしまい「~したいですか」と表現することがあります。

 

平成28-Ⅲ問題11-問4

語用論的転移が起こりやすいのはどのような場合でしょうか。

1番👉母語と目標言語が似ていると感じていると・・・ついつい母語のルールを適用してしまいそうです。

2番👉いろんなパターンの表現方法を知っていれば、転移は起こりにくそう。

3番👉母語が語用論的な特性を持っていると認識してれば転移は防げそうです。

4番👉ある状況で・・・母語と目標言語の表現が違うのを知っていれば転移は回避できそうです。したがって正解は、1番

 

平29 -Ⅰ問題9-問2

母語と目標言語の言語間の差異が学習の困難・・・

正解は、4番。対照分析仮説のことです!

 

平29 -Ⅰ問題9-問3

学習者の犯す「誤り」とは?

正しい記述は・・・正解は、3番。グローバルエラーはコミュニケーションに支障をきたします。他の選択肢は全てミスマッチです、、、それぞれの誤用の名前と意味をしっかり把握!詳しい説明は上を参照してください。

 

平29 -Ⅰ問題9-問4

誤用分析研究の問題点についての問題です。

1番👉誤用分析では誤用のみに着目するので、目標言語の全体像は捉えれません。

2番👉一時的なミステイクと系統的なエラーなのか区別は難しいです。

3番👉意図的に回避した形式は語用としてデータに現れないです。

4番👉縦断的観察??上に書いたように誤用分析では学習者の誤りを集めるので・・・沢山の学習者からデータ収集するはず・・・したがって正解は、4番

 

平成30-Ⅰ問題4-問1

グローバルエラーの例はどれでしょう?

グローバルエラーは文法の誤りによって意味が変わってくるものです。。。正解は、2番。友達が・・・、友達に、、、では意味がまったく違います!

 

平成30-Ⅰ問題4-問2

言語内の誤りの例はどれでしょう?

正解は、1番。過剰般化ですね。ナ形容詞の否定形をイ形容詞にも適用したパターンです。この手の問題多い?

他の選択肢は母語の干渉による言語間エラーです。こういう問題なんか好きです。

 

令和1-Ⅰ問題10-問1

エラーとミステイクについての問題です。

正解は、2番。上の通りです。これはもう説明いりません!でもやっぱり専門用語と意味をしっかり一致させておかないと間違えそうですね(^^;

 

令和1-Ⅰ問題10-問2

学習者の言語が目標言語に向かって変化していく現象は中間言語に可変性があるからです。正解は、3番

 

令和1-Ⅲ問題2-問4

負の転移による学習者の音声の特徴です。

正解は、1番。英語話者は「ツ」の発音が「ス」になってしまうことがあるようです・・・学習者の母語の音声特徴によっておこるであろう転移も押さえておかないとってことでしょうか。範囲が広すぎます!でも実践ではかなり重要な知識かもしれないです。

 

令和1-Ⅲ問題10-問5

語用論的転移とは?

正解は、3番。英語話者が母国のルールを直訳してしまうパターンです。この系統の問題は得意かも?

 

令和2-Ⅰ問題6-問5

またまた、語用論的転移とは?

正解は、3番。目上の人の誘いに対して断るときは・・・きっぱり「行きません」は日本語ではなかなか使わないですね。どこの母語の方の言語習慣なんでしょう・・やはり低コンテクスト文化のストレートに伝える言語圏でしょうか。

 

令和2-Ⅲ問題10-問4

過剰般化とは?

正解は、3番。本来「泳ぐ」のテ形「泳いで」です。それを「読む」のテ形「読んで」のような撥音便を適用してしまった過剰般化ですね。

 

 

第二言語習得の「誤用」に関しての問題はかなり多く取り扱われている印象です!

学習者が目標言語を学ぶ過程で起こる問題についての内容は重要ってことですね。

 

 

最後に・今日のひとコマ

 

沖縄の青パパイヤ

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沖縄ではタイと同様に青パパイヤは野菜として定番。八百屋さんで普通に買うことができます。

青パパイヤといえば、私が愛して止まなタイ料理「ソムタム」!

友人が職場で青パパイヤのシリシリ(千切り)をもらってきたので、二品作ってみました。

左はサラダ風で鶏肉と和えて。右はパパイヤイリチー(炒め)。火を通したのとそうではいのでは食感が随分違います♪

どちらもまーさん☆

 

www.watashinoarukikata-diary.com

 

今回はなかなかのボリュームでしたが、本日も最後までお読みいただきありがとうございます🌊

それではまた明日!

Cảm ơn mọi người đã luôn đọc hết.  Hẹn gặp lại ngày mai!

 

2021年8月